書きつらね
祐乃 こはく
エッセイ集。壱
あくまで私自身の価値観や頭の中で考えてる事ですので、多めに見ていただけると有難い限りです。
1…夢み
あなたが夢の中に何回も何十回も出てくるのです。
内容なんかは気づいた時にはひとつも覚えてなんかいないのにあなたが夢に出演していたことだけは色褪せず鮮明に覚えているのです。
今ではあなたの隣に戻りたいとも思わなくはなりました…ですが、あなたを想う心は変わらずに灯っているのです。忘れようとする気持ちが強いときにかぎってあなたが夢に現れるのです。…ただ嫌悪の感覚は微塵もありません。むしろ少しだけまだ現れることにほっとしている私がいます。
喋ろうとしても喋れず、話せてもぎこちなさが出てしまう…そんな現実の憂鬱さに耐えかねています。そろそろ私もあなたから離れようと努力することにしましょう。
だけど、もう少しだけこの夢の世界に浸らせてください。
あなたが私の心から消え去るまで…
2…忘れもの
とある休日、私は学校に来ていた。
別に明確な理由があった訳では無いのだが、
なぜだか不安になってここに来ていたのだった。
1階ににある私のクラスに入ると、なんとも変わり映えのない教室だ。太陽は出ていなかったのだが、お昼特有の明るさの為あえて電気は付けなかった。
廊下側から3列目の1番後ろにある私の席に座る。
教室を見渡してみると、いつもよりも大変広く感じた。いつもせかせかとしている教室とは違い落ち着きがあるように感じる。そして、自然な明るさと電気をつけない故の暗さの妙なコントラストに私はなんとも言い難い興奮抱くとともに1人しかいない教室にもの寂しさを感じ取っていたのだった。
しばらく変な感覚に浸っていると、太陽が出てきた為、直に日光が窓側の席を照らしていた。そこの席の人はどんな人だったろうか、
一際元気なやつで面白かったが、合う時と合わない時があった気がする。
次に廊下側ら辺に座っていた女子のことを思い出した。物静かだったがよく話していたな。接しやすい人だった。
真ん中に目を向け、あの席のやつのことを考える…1番話していただろうかクラスの中では特に仲良くしてくれていた…
クラスの一人一人の顔と性格と思い出を丁寧に抽出していった。
一つ一つの過去の行動は正解だったのか、もっとよく出来たはずなのか、考え出したらキリのないことを私は行い始めた…。
その時私は気づいた…この不安の理由が。
卒業が近いのだ。どうしてもその事実を受け入れたくないためここに来てしまっていた。
ある意味この心になれるというのはいい生活を過ごせていたということなのだろうがやはり悲しい物は悲しいのだ。
昔のことの答え合わせをすれば少しだけその不安は安らぐようにかんじほんの1秒でも卒業までの時間が長くなるような錯覚を持っていた。何よりここに置いていきそうな思い出を持ち帰ろうとしたいのだ。
もう少しだけ、ほんのもう少しだけ…と
私は忘れもの探しに没頭することになるだろう。
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