二話
次の日の朝から、私はいつも通り屋上で授業をさぼってタンクの上に寝そべり太陽を浴びる。
別に授業は得点を取れていれば基本何の文句も先生は言ってこない。
おヘルは持ってきてないし基本食べないので問題はない。
ひと眠りするかな…と思って目を閉じると扉が開く音が聞こえた
そっちを見てみると、そこには中等部の制服を着ている男の子がいた。
一瞬善住か武蔵あたりが来たのかと思ったけど、上履きは二年生の色を示していた。
武蔵たちの一個上のようだ。
「…あれ?人がいる…おかしいなここはだれもいないって聞いてたんですけど」
なんだか一人でぶつぶつ言っているが大丈夫だろうか……
いや、関係ないから話しかけない方がいいだろう。
てかなんで中等部の子がここに?別に着てはいけない決まりとかはないけど、来ない方がいいとかのうわさは聞かなかったのだろうか。
そんなことを考えてて、ボーっとしていると、その子の後ろから男が出てきた。どうやら高等部の先輩のようだ。
「あぁ?んでこんなところに中等部の奴がいるんだよ。ガキはとっとと中等部に戻れ。これからはガキが見るべきもんじゃねぇからな。」
下卑た笑みを浮かべながら偉そうにしゃべる男に中等部の子は口答えを始めた。
「どうしてあなたに言われて僕が帰らなきゃならないんですか?
ちょっと早く生まれたぐらいで偉そうにしないで下さい。とても不愉快です。」
「っ!!うっぜぇなぁ!!お前に用はねぇんだよ!!」
先輩だと思われる男は、口答えした男の子を容赦なく投げ飛ばす。
軽いからか勢いよく吹っ飛んでいく。
「ちょっと、それはないんじゃない?」
「あぁ?うるせぇなぁ…俺が用があんのはお前なんだよ。未紬香凛」
「未紬…香凛……?」
「……はぁ、どうせそんなことだろうと思った。
ねぇ、何でその子を投げたのよ。正直言って、この子は何も悪くないと思うんだけど?」
「俺の前に立って、俺に口答えした!!それだけで十分悪いんだよ!」
……馬鹿なのかな?この男。
無茶苦茶な論理すぎて思わずため息が出てくる。
「じゃあつまり、今私の目の前に立ってケンカ売ってるアンタは蹴り飛ばしていいやつなんだ?」
「はぁ?」
私は容赦なく男の顎をける。
そしてそのまま足に力を入れてけり倒す。
「先輩だからって偉そうにするもんじゃないよ?
後輩を投げるとか言語道断だし……そもそもそんなこと考える頭もなかったんだね。」
殺気投げ飛ばされたこの方を見るとそこには咳込んではいるが、どうやら目立った怪我もしてないみたいだ。
よかった……
「あんたも、あんまり人を煽るようなことを言わない。この学園タダでさえ喧嘩っ早いのが多いんだから。次はそれだけじゃすまないよ?じゃあね」
それだけ言って屋上から立ち去る。
すると足元には一通の手紙が置いてあった。
[屋上少女へ]
……これって、私宛ってことだよね…
何だろこれ…
「あれが…信乃兄さんの…」
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