58話 命の最果て。


 58話 命の最果て。



「はっはぁあああああ! 研ぎ澄まされていくぅううう! 脳汁がおわらねぇ! 血潮の渦がまく! 解放されていくぅうううう!」



 絶頂状態に至ったセンに、

 オメガシャドーは、黒い笑顔を向けながら、




「まだだ、センエース! まだまだ、まだまだぁ! さあ、続けよう! まだまだ、こんなところで終わっちゃいけない! その程度じゃ、まだ足りない! いでよ、オメガファイアゲート・エギドバズズガル!!」




 召喚されたのは、悪魔種の超王級。

 『王級』を大幅に上回るスペックを持つ、超希少なモンスター。


 そのオメガレベルは、なんと、5000!


 ファイアゲート・エギドバズズガルは、

 魔法火力に特化した『ガンガン殺そうぜタイプ』の殺戮型。

 オメガ化することにより『超高水準の知性』を失ったが、

 その結果、火力がさらにエゲつなく増大し、

 手が付けられないほどの魔法パワーを得た化け物。


 そんなオメガファイアゲート・エギドバズズガルの凶悪な魔法攻撃に対し、


「ははははは」


 センエースはわらっている。


 とんでもない超反応で、

 オメガファイアゲート・エギドバズズガルの絨毯爆撃を、

 あえて、すべて、寸前のところでかわしながら、


 ――センは、ニタニタと、嗜虐心MAXの表情で笑っている。


「お前の攻撃は、しなやかで、速く、するどい! それは認めてやる! だが、コクとホップがたりていない! そんなんじゃ、俺は殺せねぇえええ! 俺は格が違うんだよぉおおおおおおおおおおおお!!」


 まるでリアルタイムアタックのようなパーフェクトムーブで、オメガファイアゲート・エギドバズズガルの『目と鼻の先』まで、一瞬で移動すると、神速の閃拳で、あっさりと、ワンパン処理をかましていく。


 『狂気の戦闘力』に『狂気の出力』が重なったことで、

 まさに、鬼に金棒。


 もはや、誰もオメガセンエースを止められない。



 000000000000000000000000000



 《レベル》     【1】

 《オメガレベル》  【3000】


 [HP]      【23万/23万】

 [MP]      【11万/11万】

 [スタミナ]    【1700/1890】


 「攻撃力」       【5200】

 「魔法攻撃力」     【3390】

 「防御力」       【3830】

 「魔法防御力」     【2578】

 「敏捷性」       【2300】

 「耐性値」       【1609】

 「HP再生力」     【5109】

 「魔力回復力」     【6005】

 「スタミナ回復速度」  【1005】

 「反応速度」      【?】


 「隠しパラメータ合計値」【?】


 「獲得経験値」     【0】

 「ネクストEXP」   【無限】



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「たどりついた……俺は……真の高みに……これが……頂点……命の……最果て……」


 膨れ上がった自分自身に、少しだけ恐怖を感じた。

 歓喜の中に芽生えた恐怖。

 それは、人間としてのストッパー。

 命にとって必要な弱さ。

 人が人である理由の一つ。


 けれど、『膨大な混沌』が、

 センから、ソレすらも奪っていく。



 オメガシャドーは、狂気の笑顔で、

 スパルタに、


「まだ薄い! もっとだ! こんなところで終わっちゃつまらない! GO! オメガ天神龍!! ゴー! ゆけゆけ、どんどん、ゴー、ゴゴー!」

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