59話 もっと、もっと先へ。


 59話 もっと、もっと先へ。


「まだ薄い! もっとだ! こんなところで終わっちゃつまらない! GO! オメガ天神龍!! ゴー! ゆけゆけ、どんどん、ゴー、ゴゴー!」


 煽る。

 アオりたてる。


 着地を許さない。

 終焉を求めない。


 もっと先へ。

 もっと、もっと先へ。


「センエース、その先だ! その先に、すべてのセンエースを置き去りにしたセンエースが待っている! その先に、誰もたどり着けなかった真なる英雄が待っている! ――たぶん! 知らんけど!」


 オメガシャドーによって召喚されたオメガ天神龍のオメガレベルは、

 破格の『12000』。


 とことん常軌を逸していくスタイル。

 数値のケタがおかしくなっていく。


 天神龍は、ただでさえ、凶悪な龍種の『神級モンスター』。

 『超王級ですら超えられない壁』を超えてしまった、

 まさに、『神』の領域にあるモンスター。


 その希少性に見合う実力の持ち主で、

 すべてのスペックが、ケタ違いに高い。


 体力も、魔力も、オーラ総量も、

 すべてが、完璧な、最高位の種族。

 それが、龍種。

 そんな龍種の中でも、特に『総合力』に長けている神級モンスターが『天神龍』。


 ――流石に『完全耐性』は有していないが、

 しかし、『わかりやすい弱点』など存在しない。


 『こうすれば対策できる』などという攻略法は存在しない。

 『純粋な殺し合い』に『競り勝てる底力』があるか否か。

 それだけが問われる、ある意味で、とてもシンプルな相手。


 器用貧乏ではなく、オールラウンダー。

 すべてが高水準。

 何もかもが破格。


 そんな龍種の神を相手に、

 センは、


「まるで、『特徴がないのが特徴』って感じだな。お前のステータスは、けっして悪くないが、酷くつまらねぇ。アルセ〇スよりも、ゲ〇コウガの方が愛される。感情ってのはそういうものだ。わかるかい、この機微が? わからねぇだろうなぁ。わかったところで、どうしようもねぇしなぁ、くくく」


 悪者のように笑いながら、

 オメガ天神龍の背後に回り、

 流れのまま、


「――龍閃崩拳――」


 後頭部に向けて、閃光のような拳を突き出す。


 パァァンッ!

 と、風船のように小気味よくはじけ飛ぶ、オメガ天神龍の頭。


 その様子を見て、

 オメガシャドーは、ニィっと、心底から楽しそうな笑顔で笑い、


「もはや、ドラゴンの神でも、まったくもって、相手にならないか! さすがだ、センエース!」


 センの偉業を、全力で賞賛する。


 そんなオメガシャドーの絶賛をシカトして、

 センは、オメガ天神龍の魂魄を貪り喰らう。




 000000000000000000000000000



 《レベル》     【1】

 《オメガレベル》  【5900】


 [HP]      【57万/57万】

 [MP]      【32万/32万】

 [スタミナ]    【5500/5555】


 「攻撃力」       【12300】

 「魔法攻撃力」     【8990】

 「防御力」       【10900】

 「魔法防御力」     【7732】

 「敏捷性」       【6008】

 「耐性値」       【5900】

 「HP再生力」     【11080】

 「魔力回復力」     【15077】

 「スタミナ回復速度」  【3003】

 「反応速度」      【?】


 「隠しパラメータ合計値」【?】


 「獲得経験値」     【0】

 「ネクストEXP」   【無限】



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