56話 もっと、もっと、もっと。


 56話 もっと、もっと、もっと。



「実感するよ……肌肉(きにく)の『メタル化』を、エネルギーの『活性化』を。爆増したミトコンドリアが、俺に、無限のATPをくれている。カルシウムイオンが叫んでいる。細胞の全てが沸騰している。命と魂魄の喝采。――俺は、強い」



 などといいながら、センは、

 オメガバスタードラゴンの腹部を、手刀でかっさばいて、


 その奥でまたたいている魂魄をつかみとると、

 まるで中毒者のように、待ちきれないとばかりに、荒々しく口の中へと放り込む。


 無意味に、強く咀嚼して、

 奪い取るようにゴックン。


「上がる、上がる、上がるぅ! ははははははは! 俺が完成していく! 俺が俺になっていく! 本当の俺、デビュー!」


 オメガバスタードラゴンの魂魄を喰らうことで、

 さらに、オメガレベルを高めていくセン。




 000000000000000000000000000



 《レベル》     【1】

 《オメガレベル》  【265】


 [HP]      【10900/10900】

 [MP]      【5200/5200】

 [スタミナ]    【170/189】


 「攻撃力」       【315】

 「魔法攻撃力」     【180】

 「防御力」       【150】

 「魔法防御力」     【100】

 「敏捷性」       【221】

 「耐性値」       【83】

 「HP再生力」     【350】

 「魔力回復力」     【201】

 「スタミナ回復速度」  【77】

 「反応速度」      【?】


 「隠しパラメータ合計値」【?】


 「獲得経験値」     【0】

 「ネクストEXP」   【無限】



 11111111111111111111111111111



「まだだ! まだ足りねぇ! この程度じゃ満足できねぇ! もっとだ! もっと、もっと、もっとぉ!!」


 ギラついた目で、オメガシャドーを睨みつけ、


「くらってやるから、もっと、よこせ、オメガシャドー。俺は、まだまだ、高く飛べる!」


 その発言に対し、

 オメガシャドーは、ニっと黒く笑い、


「もちろん知っているさ、センエース。君は、もっと、高く飛べる」


 そういいながら、

 ジオメトリを出現させる。


「ここからは、収穫祭といこう。君は進化する。極端に、過剰に、果てしなく! すべてのセンエースを置き去りにして、君は究極の高みへとのぼる」


 その叫びの直後、

 ジオメトリから、まがまがしい鬼が出現する。



「さあ、オメガヘルズ覇鬼よ! 『最強を求める闇』の『糧(かて)』となれ!」



 その命令に対して従順にしたがっている――というわけではないが、

 オメガヘルズ覇鬼は、センに向かって無謀な特攻をしかける。


 オメガヘルズ覇鬼のオメガレベルは1020。

 すさまじく強い化け物で、

 ゼノリカの天上ですら、勝てる者は限られてくるという、

 そんな過剰レベルに達している――が、



「遅いぃい! 遅すぎるぅううう!」



 センは、そんな、オメガヘルズ覇鬼を、

 ワンパンで一蹴してみせた。



「足りねぇええええ! こんなザコじゃ、もはや、俺は満たされねぇええええ!」



 叫びながら、

 センは、オメガヘルズ覇鬼の魂魄を貪りくらう。

 果て無くあらあらしく、飢えた獣のように。


 000000000000000000000000000



 《レベル》     【1】

 《オメガレベル》  【523】


 [HP]      【23000/23000】

 [MP]      【8900/8900】

 [スタミナ]    【300/321】


 「攻撃力」       【790】

 「魔法攻撃力」     【330】

 「防御力」       【320】

 「魔法防御力」     【250】

 「敏捷性」       【500】

 「耐性値」       【192】

 「HP再生力」     【800】

 「魔力回復力」     【533】

 「スタミナ回復速度」  【155】

 「反応速度」      【?】


 「隠しパラメータ合計値」【?】


 「獲得経験値」     【0】

 「ネクストEXP」   【無限】



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