52話 過保護なレール。

 52話 過保護なレール。


『おめでとう。あなたは【パーフェクト・ラージャン・エグゾギア・プチ】を入手した』


 という、電子音が響いた、

 と、同時、



『素体融合、開始』



 どこからか声が響く。

 先ほどの声とは別モノだった。



『輝荒王(きこうおう)回路外骨格、構築完了』




 気付いた時、ゲンは、『光輝く荒ぶる王』を『身に纏って』いた。



 それを見た刈プチが、プルプルとわなないて、


「おお……うぉお……なんという激運の持ち主だぁ……入手確率0,00000000000017%の超々々アイテムをゲットしてしまうとはぁぁぁ……おみそれしましたぁぁぁ……」



 などと称賛してくる刈プチを尻目に、

 ゲンは、しぶい顔で、


「なんか、ものすごく芝居がかっていたのが気になるが……」


 そうつぶやきつつ、

 自分の体を纏っている外殻の性能を確認する。


「な、なんだ、この強さ……」




 0000000000000000000000000000000000000



 [EGB]     【9999/9999】

 [MP]      【9999/9999】


 「攻撃力」       【55000】

 「魔法攻撃力」     【23000】

 「防御力」       【0】

 「魔法防御力」     【0】

 「敏捷性」       【99999】

 「耐性値」       【0】

 「バリア再生力」    【0】

 「魔力回復力」     【0】

 「反応速度」      【99999】


 ・スキル

 【激昂迅雷(げっこうじんらい)モード】「全性能が大幅に上昇。ただし、使用中、バーサク状態になる」

 【サイコジョーカー】「全性能が凶悪に上昇。ただし、負荷がハンパではないので、根性がないと耐えられない」

 【UFオーラ展開】「システム発動時、常に最高位のフェイクオーラに包まれる」

 【スーパーリミッター】「制御システムが向上、その代わり、全性能が大幅ダウン(扱いやすくなるが、弱くなる)」

 【気高き暴君】「敵が弱いとスーパーリミッターの制御率が上昇する」

 【ブチ切れ暴君】「一定以上のダメージを受けると『憤怒モード』に移行する。『憤怒モード』は『激昂迅雷モード』よりも上昇率は低いが、その代わり、バーサク率も低い」


 1111111111111111111111111111111111111




「え、マジで俺、超低確率をあてたのか? もしかして、今までの人生でガチャ運が劇的に微妙だったのは、今日のため的な?」


 ハッキリと理解できるわけではない。

 ここまでくると、数字を見てもよくわからない。

 今までは、100とか1000のくらいで生きていたのに、

 いきなり、唐突に、

 10000とか100000とか、

 そういう意味不明の次元にジャンプされても、

 理解などできるわけがないのだ。


 しかし、確かに感じる、圧倒的な力。


(……よくわからんけど、まあ、これで、少しは可能性が出てきたかな……いやぁ、しかし、エグゾギアって……確か、闇市に売っている『死ぬほど高いアイテム』だよな……そんなもんが、宝くじで手に入っていいのか……いや、まあ、一応、申し訳程度にプチという言葉が刻まれてはいるが……うーん……なんだろう、この『過保護なレール』に乗っている感……いや、この違和感は、過保護というより……『おざなり(テキトー)』って感じ……)


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る