21 はじめての武器が完成。

 21 はじめての武器が完成。


「もっと踏み込んでいくと、神字でのプログラミングという要素も出てきて、アイテム作成はさらに複雑さを増していき……最終的には『アイテム制作用召喚士』や『ルーン技師』や『言霊士(ことだまし)』や『イクシードギア・アーティスト』のスキルも必要になってくる……」


 必要な技能は山ほどある。

 アイテム制作は修羅の道。


「そうやって、様々な技能を駆使して、理想のアイテムを作れても、そこはまだゴールじゃなくて、その先には、果て無き『コアマテリアルの強化』という調整作業も待っている……」


 『アイテムの作成』『強化パーツの作成』が終わっても、

 そこはまだスタート地点でしかない。


 そこから先には『実戦運用』で『アイテムのレベル』を上げていく作業が待っている。

 アイテム制作の時間泥棒ぶりはハンパではない



 ※ 『結晶化されたコアマテリアルを内包したアイテム』を装備してモンスターと闘い魂魄を回収するという過程を経ることで、コアマテリアルを強化していくことができる。


   『コアマテリアルの元』は、どんなアイテムにも存在しているが、

   高位錬金術師によって調律結晶化されていない『原石状態』だと、

   うまく魂魄回収ができない。

   そのため、ただの木の棒でいくらモンスターを討伐しても、

   その木の棒が超絶強化されたりはしない。

   魔力を込めて使ったり、特殊な攻撃を防いだり、

   そういう様々な経験を経ることで、

   内包されている魔力やオーラが上昇することもなくはないが、

   その成長率は極めて低い。

   アイテム強化は、コアマテリアルの調律から。

   それが世界の常識。


 ちなみに、ゲンの場合『Pタイプ数真4号』がつかえるので、

 努力ポイントを振り分けるだけでコアマテリアルを強化できる。


 そのため、一般人よりは、お手軽にアイテムを強化できるが、

 究極までアイテムを強化していこうと思うと、

 必要となる努力ポイントは膨大になっていくため、

 決して『お手軽に最強アイテムゲット』とはならない。


 ゲンの最強への道のりは果てしなく遠い。


「努力ポイントが足りない……技能が足りない……とにもかくにも時間が足りない……」


 やりたいことが多すぎる。

 理解が深まるにつれて、どこから着手すればいいかが不明瞭になっていく。


 正解など存在しない。

 ただひたすらにもがくしかない。



「……よし、とりあえず、俺専用の太刀(たち)、完成」



 なんとか、外装だけ完成させた太刀。

 『コアマテリアルは貧弱』で、

 『使った素材のレベルも決して高くない』ので、

 完成度は非常に低い。


 ※ ワンダーナイトや覇鬼からドロップした素材アイテムは、

   そこらで拾える木材や石より遥かに優秀で、

   悪くない魔力も内包されており、

   だからこそ、特殊能力等を付与することも出来たのだが、

   とびぬけて優れた能力を得られたわけではない。

   どれもこれも、スペック的には『極小』ばかり。


 ※ 同じ低級素材でも、

   千年ほど『強化の強化』に費やせば、

   『極大』~『超極大』くらいに出来るが、

   付け焼刃だと『極小』~『小』が限界。


 ただまあ、一応、この太刀は、いくつかの特殊能力を有する魔法武器であり、

 一般の武器屋で売られている武器よりは、はるかに性能が高い。




「名前は……真剣卍(まじまんじ)に決定!」


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