ミナゴロシ。

 ミナゴロシ。


「私はただの偏屈な美食家。私の舌に合わないからといって不味い料理というわけではなぁい。あなたたちは非常に上質ですよぉ」


 ヤマトは、言いながら、トンと地面を蹴った。

 その直後、


「「うぐっ……」」


 ヒジカとオキが、同時に、バタリと倒れる。


「この二人は……まだ鍛錬が足りていないものの、しかし、才能は素晴らしいぃ。剣の資質だけで見るなら、私に匹敵する器……あ、いや、それは言い過ぎですかねぇ。私の天才ぶりはハンパではないですからねぇ」


 そこで、ソウルさんに視線を向けて、


「あなたも……胆力は素晴らしいぃ。ちゃんと、腹の底で感じますよぉ。あなたの圧力。重たくて、強くて、暖かい……」


「……うれしい評価だな」


 そう言って、ソウルさんはアイテムボックスから剣を取り出す。


 禍々しいオーラが出ている長刀。


「おっとぉ……その刀……なかなかいい味が出ていますねぇ。妖刀系ですかぁ?」


「ああ。ミナゴロシという名の妖刀。軽く呪われていて、全力で使ってしまうと、味方も敵に思えてくるという厄介な性質がある……だから、敵との完全タイマンでしか使えない、面倒な刀」


 言いながら、

 ソウルさんは、ミナゴロシを上段で構える。



 ちなみに、ミナゴロシのスペックがこちら↓


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 『ミナゴロシ』


 《アイテムクオリティ》 【17】

 《コアマテリアルランク》【32】

 《シンクロ率》     【2%】

 《装備者への愛》    【3】


 [HP]        【+0】

 [MP]        【+0】


 「攻撃力」       【+150】

 「魔法攻撃力」     【+0】

 「防御力」       【+0】

 「魔法防御力」     【+0】

 「敏捷性」       【-5】

 「耐性値」       【+19】



 付与『切れ味上昇(大)』

   『クリティカルヒット率上昇(大)』

   『クリティカルダメージ上昇(大)』

   『常時、特殊混乱(大)』


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 ついでに、普段使っている剣がこちら↓



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 『全宮五式』


 《アイテムクオリティ》 【12】

 《コアマテリアルランク》【19】

 《シンクロ率》     【52%】

 《装備者への愛》    【72】


 [HP]        【+0】

 [MP]        【+0】


 「攻撃力」       【+20】

 「魔法攻撃力」     【+0】

 「防御力」       【+0】

 「魔法防御力」     【+0】

 「敏捷性」       【-10】

 「耐性値」       【+7】



 付与『特になし』


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「せめて一太刀だけでも……できれば、足を削りたい……理想は……相討ち……死ぬ気で、お前を止める……」


「非常に上質な殺気ですねぇ」


 そう評すると、

 ヤマトは、ゆらりと武を構えて、


「殺してもいいかなぁと思えるレベルですけどねぇ……でも、まあ、標的以外は殺さないと決めてしまっているので、殺せないですねぇ……」


 残念そうにつぶやいてから、


「この昂(たかぶ)りは、全宮ロコに全て受け止めてもらうことにしますぅ。えへっ」


 ニカっと笑ってそう言った。


「やらせんよ……ロコ様も、息子も……」


「ご安心を。あなたの息子に興味はありませんよぉ」


「……おいこら、ウチの息子をナメるなよ。あの子は私以上の資質の持ち主だ」


「えぇ……どっちなんですかぁ? 殺されたくないんですかぁ? それとも、殺してもらいたいんですかぁ?」


「殺されたくないに決まっているだろう。だが、ナメられたくもない」


「ワガママな人ですねぇ」


「かわいいさかりの一児の親だからな、ワガママになるのも仕方ないさ」


 そう言うと、

 ソウルさんは、


「剣気ランク10!!」


 自身を可能な限り強化してから、

 足にグンと力を込めた。

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