人のさが。

人のさが。


 結果を見たゼンとシグレは、


「ん~……クソ微妙ぉ……」

「ゴミばっかりでもないんやけどなぁ、一応、☆7が2枚きとるし……」


「キャラパーツがきたのはいいけどポワはいらん……カルカルが欲しかった……」

「あと、この状況やと、外装系はマジでいらんなぁ……」


「俺は、スマホでやっていた時から、外装系はいらんと思っていたけどな。見た目なんかどうでもいい」

「また、えらい極端なお客さんやなぁ」


「力こそパワー。腕力こそ至高。敵を物理で叩き潰している時だけ、生きていると実感できる。作戦は常にガンガン行こうぜ! 考えているヒマがあるなら、まず殴れ!」

「また、えらい脳筋なお客さんやなぁ」


 火がついてしまったゼンは、

 グっと拳を天高くつきあげて、


「よし、もう一回ひこう。このままじゃ終われん」

「そうやな。てか、もう、あと20回くらい引いたらええんとちゃう? 15万あるんやから」

「実にアグリー」


「え、おい、ちょっと待て。最初の一回目をやる時は、かなり悩んでいたくせに、二回目になると、急に積極的というか、大胆になるな」

「そういうものだ」

「そういうものやて」


 乗ってきた二人に押される形で、一行は、ガチャをひきまくる。

 ポンポン、ポンポンと、強化パーツを獲得していくゼンたち。

 なんだかんだ、結局、

 『25回』ほど引いた結果、



「よし、カルカル、きたぁ! これで勝つる!」

「序盤のカルカルは、ただのバグやからなぁ!」



 ☆8『大天使カルカル』(二回攻撃になる。与えたダメージの10%回復。攻撃力90%アップ)



シグレ「強化パーツ250枚……一応、☆6や☆7もそこそこあるし、こんだけあったら、まあまあ余裕とちゃう?」

ゼン「そうだな。バランスよくふりわけると、全員、強化値100%をこえるし、これなら、『ソロプレイヤーを見つけて、全員で囲んでボコボコにするド腐れ戦法』を取らなくとも、大抵のやつには勝てるだろう」


 そこで、ハルスが、


「……で、次はどうする? 店回りを続けるか?」


 ガチャをしながらも、店を回っていた一行。

 見事にゴミばかりだったので、ほとんど購入はしていない。


 ☆6のアイテムが一つだけ売ってあったが、『10000MDP』という、あまりにヤンチャが過ぎる価格設定だったため、全力でスルーした。


「店まわりはもういいよ。それより、ダンジョンに行くかプレイヤーを狩ろう」


「そこそこ強い携帯ドラゴンを食べさせんと、強化値の上昇が微妙やから、他のみんなが強くなるまで待った方が効率えんとちゃう?」


「待っている間に、こっちの戦力を超えられたらシャレにならんからなぁ……」


「15万もいきなり稼いだんって、ファーストイベントに勝ったあたしらだけやろ。しばらくは大丈夫ちゃう?」


 そこで、ハルスが、


「とりあえず、いったん、強化パーツを使って携帯ドラゴンを強化したいんだが、なにか

お勧めの方法などあるか?」


「耐久とか防御とかいらんから、攻撃力にガン積み。これ一択」

「ほんま、どんだけ脳筋やねん」


「負けない力より、勝つ力だ やられる前に、やっちまう! 倍返しなんてしている余裕はねぇ!」

「……まあ、別に間違ってへんけど」


 結局、ゼンの提案通り、火力を底上げしていくビルドでカスタムしていく。




 ★




 一方その頃、

 究極超神センエースは、


 街中をあちこちウロチョロして、


「お、ようやく『でかい宝箱』発見……これはいいものが入って……ちっ、シケてんな。☆6かよ……微妙きわまりねぇ……」


 隠されているアイテムを拾っていた。


「20分も探索して、☆6が一つで、☆5~☆2が七つ……しょっぺぇ……」


「ねぇ、お兄ぃ……このダラダラした作業、いつまで続けるつもりでちゅか? もう、飽きたんでちゅけど。飽きたっていうか、退屈に殺されそうなんでちゅけど」


「心配するな。もう終わりだ。とりあえず、これで、『目標金額』は超えたから」


 言いながら、センは、店に向かい、

 拾ったアイテムを、一つ残らず全て換金した。


 結果、1025MDPを入手。



「10連一回分すら引けない少額でちゅねぇ」

「これは、あくまでも元手だ。――さあ、絞りとりにいくぞ」


 言って、センは、『幸運の女神』を引き連れ、

 颯爽とカジノに向かうのであった。





【後書き】

幸運の女神……

それは、カジノの天敵……っ!

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