加速するP型センエース1号の成長速度。

加速するP型センエース1号の成長速度。



 怒りのこもった言葉。

 ほとばしる圧力。

 しかし、そんなものは『どこ吹く風』で、P1は、九華の面々を一瞥する。


 今の、P1の前には、カティ、バロール、サトロワス、テリーヌ、アルキントゥ、マリス、パメノラという七人の超越者が立っている。

 その七人全員の殺気を受けて、

 P1は、


「ジャミ以外、全員そろったな……」


 ひどく呑気な口調でそう言った。

 恐れや焦りは微塵もない。

 誰も平伏す七人の神族を前に、P1は、ひょうひょうと、


「よし、じゃあ、気合い入れていくぜ。九華VS俺。そう。ここからがスタートだ」


 その発言に対し、バロールとテリーヌが、


「スタート? バカか……ここで終わりなんだよ、ガキが」

「とんでもないチートを持っているみたいだけど、この人数差は流石にどうしようもないでしょ。大人げなく、容赦なく、圧殺させてもらうわ」


 言いながら、接近戦でP1の足を止める。

 剣と拳で、P1の動きに極端な制限を課す。


 その後方から、カティとマリスが高火力技を叩きこんでいく。


 過剰戦力の超速展開に耐えられるはずがなく、

 当たり前のようにあっさりと死ぬP1。


 またもや完全な死亡。

 残ったのは、ズタズタの死体のみ。


 ――だが、

 また、何事もなかったかのように、光に包まれてから、蘇生して、



「はいはい、見えてきた、見えてきた。そういう感じね。OK、OK」



 ニっと笑いながら、そんな事を言った。


「ふ、普通に蘇りやがって……あんだけズタズタにして殺したってのに……」

「バロール、気にせず殺し続けなさい。いつか、必ず枯渇する!」


 テリーヌは、もう『長期戦』の覚悟を決めているようで、バロールに発破をかけながら、同じように、P1の動きを封じようとした。


 だが、


「見えてきたって言ってだろ……聞けよ、人の話」


 もう、同じ戦法は通じなかった。

 接近戦を仕掛けてきたバロールとテリーヌに、


「ぐぅ!」

「かはっ!」

 あっさりカウンターをいれて、


「もう、二人じゃ、俺は止められねぇよ」


 言いながら、バロールとテリーヌの壁を突破すると、


「さあ、陣形を崩していくぞ! どこまで耐えられる?!」


 カティとマリスに向かって特攻を決める。


 まだ、P1のステータスは、九華の面々を圧倒するほどの力ではないが、

 しかし、的確に、七人陣形の急所をついて、崩しを入れていく。


「お前ら、七人で組んで闘うのには、あまり慣れていないようだな! そりゃそうか! これまでは、どんな敵が出てきても、たいがい、一人か二人で充分だったんだからなぁ! そんでもって、本当にやばい敵は、ぜーんぶ、センエース様が対処してくれたんだもんなぁ!」


 P1一人に翻弄される九華の面々。

 この七人と闘っている間、P1は、おそろしい速度で強くなっていく。

 皮肉な事に、『磨き上げられた九華の武』は、P1を加速度的に成長させる要因にしかなっていない。


「ピンチにも、だいぶ不慣れだな、お前ら! まあ、そうだよなぁあ! お前らなんざ、所詮は、センエースの恩恵でヌクヌクと生きてきただけの被扶養者でしかねぇ! そんなカスどもが! 俺に! センエースに! 勝てるワケねぇだろぉおお!」


 さらに加速するP1。


 そんなP1に対し、

 九華の面々は、


バロール「ヤバい……なんだ、この成長速度……」

テリーヌ「まずい! 押し切られるわ!」

マリス「……くそったれが……」


 どうにか、立て直そうと踏ん張っている九華の面々。

 しかし、

 P1は、無慈悲に言い捨てる。


「お前らは強い! 確かに強い! 間違いなく強い! どいつもこいつも天才だ! だが、厚みがない! ないわけじゃないが、まだ薄い! ならば、俺には届かない!! お前らごときじゃ、俺は殺せねぇえ!!」


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