デロデロデロデロデーデデレン 勇者は呪われました、教会に行っても治りません。

デロデロデロデロデーデデレン 勇者は呪われました、教会に行っても治りません。


 センは、これまで渡ってきた世界で、一度も、『同郷の人間』が『既に、その世界で幅を利かせていた』という経験をしていない。


 それが、偶然なのか、必然だったのか、今、答えを出すことはできない。


(なんつーか、この世界、色々……これまでの99回とは違う所があるな。さすがにワクワクはしないが、少しだけ興味が湧いてきた。もちろん、終わり方は探していくが、片手間に、この世界について探ってみるのも――)



「ラムドォオオオ!!」



「おやおや、これは陛下。どうしました、そんなに血相を変えて」


「それ、本気で言ってんなら、どっかで脳の治療受けてこい!」


「ははは、実にテンプレな切り返しですなぁ」


「訳のわからんことをぬかすなぁ! てか、笑っとる場合かぁあ! なんで! なんで、あのカスを逃がしたぁ!」


「理由は明確だったと思いますが?」


「そんなことが聞きたいのではない!」


「ああ、ちなみに、陛下」


「あぁん?!」



「あの勇者になら、シッカリと呪いをかけておきましたよ?」


「……は?」



「あの勇者にとっては……くく……とびっきり、キツいやつをねぇ、しこんでおいたんですよぉ、ひひひひひひ」


「……ラムド、前から言いたかったんだが、お前、その笑い、マジでやめんか? ワシ、マジで恐いんですけど」


「さぁて、それでは、そろそろ、わしはお暇させていただきますよ。研究の続きに取り掛かりたいので」


「どんな時でもブレんなぁ、お前は……もういい、行け、行け。あ、いや、ちょっと待て」


「なんですかな?」



「すぐに腕の治療を受けろ。あと、体は大丈夫か? オーラが……なんか……縮小しているというか……とにかくエラいことになっているが……」


「ちょうど、回復系の、良い魔道具を手に入れたところですので、問題は何も……」


 と、そこで、ラムドは、


「ああ、そうそう。陛下。ちょうど、ここから先、取りかかろうと思っていた実験で、人手が一本足りないのです。ちょいと、上位魔物衆の中から、一人見繕って、部下にしてもよろしいですかの?」


「お前は、此度の闘いの功労者。もっと望みを口にしても構わんが?」


「では、今後、できるだけ、わしの研究を邪魔しないでもらいたいですなぁ」



「……本当に……ブレんやつだな、お前……」



「では、選別させていただきますよ……んー、そこの、龍人」


「はっ!」


「今日から、ぬしは、わしのパシリ。了解?」

「この上ない栄誉を賜り、心から感謝いたします。この身が果てても、御側に仕えさせていただく所存でございます」

「いや、そこまでの忠誠心はいらん」

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