お近づきになろう

お近づきになろう




 超最上級世界(アルファ)でも、

 存在値が1000を超えている者は滅多にいない。



 というより、仮に、1000を超えている者がいたら、

 確実に『神』の扱いを受けている。


 その強さに至った者は、

 『本物の神』をのぞけば、


 現世における究極の存在。






(……なるほど。あいつ、俺と同じ、異世界漂流者か)


 プロパティアイが、『異常な存在値を持つ者』の正体を暴く。


 異世界を渡る者は別に珍しくはない。

 だいたい、一つの世界に5~6人はいる。


 神による転生・転移、上位の召喚士による召喚、あるいは特殊異能。

 他にも、固有神器の暴発に世界的な次元事故などなど。世界を超える手段や方法はいくらでもある。


(名前はアダム)


 糸みたいな目や、細い体、薄い印象は、全部フェイクだった。


(しかし……とんでもねぇ美人だな……オッパイも超でけぇし)


 ちょっと、次元の違う美人だった。

 美少女と言ってもいい透明感がある。

 見た目では、年齢がわからない。


 すべて、しなやかで、ハリがある。

 


 あまりにも完成した美。


 なによりも、その楚々とした美を食い殺さんばかりのムンムンとしたエロさが圧巻だった。


 思わず全身にむしゃぶりつきたくなる、完璧なエロボディ。


 ツンと張った豊かな胸はたっぷりと、

 唇はぷっくりと艶やかで、

 長い足は完全な黄金比。



(手段は自力転移……やるじゃねぇか。ガチの自力で世界を渡ったヤツなんざ初めて見た。俺でもできねぇぞ。まあ、俺の場合は、『数少ないできないことの一つ』に異世界転移があるってだけの話だが)


 センは、何をしても異世界に渡ることができない。

 百年前後の寿命が尽きた後で転生することでしか他世界には渡れない。


 神の領域に至っていながら、

 なぜか『不老不死(普通、存在値500を超えた段階で自動的に獲得する)』が獲得できておらず、

 センを包む肉体は、必ず百年前後で朽ち果ててしまう。


 ちなみに、センは、パッシブスキルで、年齢の固定化(十七歳)を行っているので、常に、十七歳の姿で生まれてくる。


 十七歳の姿で生まれてくる我が子を見て驚く母親の顔にも、センは飽き飽きしている。




(……転移した回数は一度だけ。種族は……アメーバ? ……ふむふむ。ほう……『吸収した相手の能力を奪う能力』か。ステータスもスキルも全て奪えるとなれば、創作じゃあよくみる類ではあるものの、実際、なかなか凶悪な能力だ。ありとあらゆるバケモノを吸収しまくることで、その膨大な存在値を得たか)


 他者を吸収できる条件は非常に簡単。

 タイマンで勝つこと。

 それだけ。


(同等の者と戦いまくって吸収しまくれば、いつか上位の者も吸収できる。繰り返せば無限に強くなれる。……ふむ、少し興味が出てきた。少なくとも、『魔王と勇者の戦い』などという見飽きた伝統芸能よりは遥かに面白そうだ)


 世界の命運をかけて元気ハツラツで一生懸命闘っている魔王と勇者を尻目に、





 センは、ソっとアダムの背後に回り込む。


 ――背中も艶やかで美しい……そんなことを思った。


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