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Jの命令で一列に並ばされた囚人達は10人ずつ小屋に入ってくよう命じられた。
もはや崖(ガケ)ともいえる堀の、すぐ横にある粗末な細長い小屋であった。
小屋から叫び声が聞こえた。
恐怖を感じた時に出る叫び声。
外にいる囚人達は動揺を隠せない。
ハーマーの番。
ハーマーを含めた10人が小屋に入る。小屋の堀側には壁がなかった。
10人とも瞬時に悟った。
恐怖の叫び声は堀に突き落とされた男達の悲鳴だった。
小屋の真ん中にJが座っていた。
Jはハーマー達をねばついた目で睨みつけ言った。
[脱げ。着けてるもの全てだ]
ハーマーは急いで脱いだ。
一番最後に脱ぎ終わった男が屈強な男に放り落とされた。
生き残る基準が1つ分かった。
絶対にJという男の機嫌を損なわない事。
ネックレスをはずさなかった男も突き落とされた。
そして残った8人の個別面談が始まった。
ハーマーは聞き耳を立てる。視線は目だけ動かして周りを盗み見する。逃げ出せるかを思案する。
入り口と出口はそれぞれ屈強な男がふさいでいる。
逃げ出せる場所は1つしかなかった。
その場所は死の世界へ通じる堀にダイブする事だった。
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