灰になるまで

吾妻栄子

燃やされた小切手

「あっ」

 私は思わず声を上げた。

 暖炉の炎の中で小切手は一枚一枚捲れ上がりながら燃えていく。

「貴方はただ、私が受け取ったとだけ伝えればいいんですよ」

 白髪の老婆は着古した服の背を向けたまま静かに告げた。

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