オレンジ11様、コメントありがとうございます。
　ウイルス関連の話だけでなく、二人の腹の探りあいも、この作品の特徴の一つのはず。その意味で「このエピソードは、作品全体の雰囲気を伝えるには最適」と感じています。
　そもそも、二人の腹の探りあいが作品の特徴の一つになるのは、私がそういうのを好きで書いているからなので『やはり二人の腹の探りあいが面白いですよね』と言っていただけるのは、とても嬉しいです。

　複数のキャラクターが、きちんと、それぞれ違うことを考えている。同じ転生者同士でさえも、別人である以上、考えは違ってくる……。そんな微妙な違いの例として書いてみたのが『映画、違うの想像してる！』という部分でした。
　本当に「微妙な違い」として書いたつもりなので、なかなか読者の方々にも気づいていただけないかもしれません。でも小説って、そういう「サラッと読んでいると気づかない、再読すると見えてくる」点があるからこそ良いのではないか、と個人的には思います。
　また、それこそ作中のラビエスとパラのように、作者の想定していた「SFドラマ」「映画」と読者の思い描くそれが、微妙に違っているのも面白い、と感じます。作者としては、ここは「自分の想定した作品を具体的に読者に伝えたい」というより「ラビエスとパラの微妙なすれ違いを描くの重要」という場面ですから。
　一応、私が想定していた作品をここで挙げておくと、パラの「映画」の方は確かにプレデター、ラビエスの「SFドラマ」の方は実はスタートレックでした。スタートレック、私自身が好きなシリーズだっただけでなく、Wikipediaの「遮蔽装置」の項目で概要っぽい部分の最後に「映像作品としての初出は1966年に米国で放映された『スタートレック』」と書かれていましたので。