元夫の犬を預かる・・・
裕ちゃんの紹介で就職も何とか決まり、帰りの電車で京ちゃん・恵美ちゃんに報告&来週のクラブ活動の事メールをした。久々に朝から動きまわったので、どっと疲れが出てきた。座れてよかった。先日からの失恋もあったし絶対に更けているわ・・・最悪・・・こんな事じゃ御新規さんどころでもないわよね。なんて考えながら家へと帰った。その日の夜に珍しく雅也君(前の夫)からメールが届いていた。あ、雅也君からメールだわ。ひょっとして生活費の打切りとかかしら?どうしよう・・・ビクビクしながらメールを開けると、よっちゃん久しぶりだね。元気にしていますか?と言う他愛もない文章から始まっていた。読み続けていくと、あのさ~
僕、最近子犬を飼ったのだけど、明後日から2週間海外に出張なんだ。よっちゃんのマンションペットOKだったよね?預かってくれないかな?と言う内容だった。雅也君は、私の事無職と思っているからこんなメールを送ってきたのね。なので、今月の21日から働きに行くので、預かる事は出来ません。雅也君の実家で預かってもってよ。と返信をした。それがダメなんだよ。姉が産後で赤ちゃんを連れて帰ってるから、犬は預けられないんだよ。よっちゃんしか頼める人もいないし、バイト代もちゃんと払うし、それによっちゃん犬すきだよね。何とかお願いできないかな?と直ぐに返信がきた。少し考えて、誰も頼む人がいないのか。私も犬好きだし、ここで雅也君に恩を売っておけば、当面の生活費はもらえるはず(笑)
元旦那さんだしね。うん預かろうと思ったので、解った。預かるよと返信をした。有難う。よっちゃん助かるよ。本当に有難う。明日の夕方連れて行くね。了解です。と返信をした。ま、一人だし子犬の可愛らしさで、失恋の痛手を癒してもらうことにしようっと。今日は本当に疲れたから、早めにお風呂に入ってゆっくりとしよう。お風呂から上がると、食事も取らずにソファーで寝落ちしてしまった。次の日の朝、あ~食事のとらずに寝てしまったみたい。よほどお疲れだったのね・・・歯磨きをしようと思い洗面台に向かった。洗面台の鏡をのぞき込むと、えぇぇ~うそ~顔が粉を吹いている~!昨日、化粧水・乳液・美容液のしないで寝落ちしてしまったみたいね・・・1日おさぼりすると、5年劣化するってお姉の美容専門家がテレビで言ってたわ。わたしとしたことが・・・最悪・・・今日はすることもないし、エステに予約を入れて、5年分を取り戻さないと!すぐさま
カバンから携帯を取り出し、行きつけのエステのオーナーに助けてメールを送った。10分程すると今日の12時~なら大丈夫と返信があったので、これで一安心とほっと胸をなでおろした。それよりも夕方雅也くんが、子犬を連れてくるんだわ。準備をしないと、ケージとかペットシーツとか持ってくるって言ってたから、スペースを作っておかないと、広くない部屋だしね。と片付けを始めた。片付けが終わる頃、ふと時計を見ると、11時を過ぎていた。やばいエステに遅れちゃう。慌てて用意をした。スッピンで大丈夫だから、洋服だけを着替えるだけなので、そう時間はかからなかった。エステは、自転車で15分の場所にある。母親の知り合いの人で、凄く親切でパワフルなマダムだ。用意を済ませ、部屋を後にし一階に降り、自転車に乗って、エステへ向かった。時間があるので慌てる必要はなかったが、5年分の劣化のせいで、ものすごい勢いで自転車を運転していた。
右に曲がるときに、少しブレーキをかけ、スピードを落としたつもりだったが、犬を散歩している男の子に軽くぶつかってしまった。その拍子で
自転車が倒れ、地面へとコケてしまった。痛いと思ったが、スッピンだし、ぶつかった相手は若そうなメンズだったととっさに脳裏をよぎったので、そしらぬ顔で起き上がった。すみません。大丈夫ですか?そのメンズの顔をチラッと見ると、カールのかかった髪、クリクリした目、一言、イケてると心で呟いた。でも私はスッピン、あ、こちらこそごめんなさい。大丈夫です。と自転車を起こしそそくさと、その場を立ち去った。あぶなかったわ~。あんな可愛らしいメンズにスッピンを見られそうになるなんて、大失態だわ。でも下を向いていたから、問題はなかったわね。よりによってスッピンの時に可愛らしいメンズにぶつかるなんて、ツイテないな~と思い自転車をこぎ、エステへと向かった。エステに着くと、お喋りの母親から、私の離婚情報がオーナーの耳にも入っていて、施術中最初から最後まで、離婚をした私へのダメ出しだった(笑)まっ昨日沢山寝たし、良いか~と思いながら、オーナーの有難い説法を聞いていた。施術が終わり、温かいお茶を飲みながら、新しい仕事が決まった事や、今日の夕方雅也君が子犬を連れて来る話をしていたら、携帯電話のメールが鳴った。確認をすると雅也君だった。今近くまで来ているけど、お家に居るのか?という内容のメールだった。ごめん、オーナー雅也君が近くまで来ているみたい
帰るねと言い、支払いを済ませ、大急ぎで家に向かった。家に到着して、5分もたたないうちにチャイムが鳴った、ピンポーン。インターホンを覗くと雅也君の姿が映っていた。どうぞと返事をし、ロックを解除した。
私は、扉を開けて雅也君を待った。暫くすると、子犬を抱いた雅也君が現れた。私は、久びり~と小さくてを振り、雅也君に近づいていった。近づくにつれ、子犬の姿がはっきりと見えた。雅也君この犬は?何?あ~犬の種類かい?とりあえずは柴犬かな?豆しばだねと言いながら私の部屋へと入っていった。ちょっと待ってよ。柴犬って外とかで飼う種類じゃあないの?よっちゃん何をいって言っているんだよ。最近では柴犬も家の中で飼うのが普通だよ。しかも豆しばは大きくならない風だから、安心してかえるよ。雅也君、風ってなに?風っていうのは、大きくなるか小さいままで育つかは、育ててみないとわからないってことなんだよねと言いながら、その豆柴を降ろした。なんて名前よと聞くと、好美って名前にしたんだよ。と笑いながら言った。え~なんで私と同じ名前なのよ~と少し切れ気味に言うと。よっちゃんと別れてからさ~なんか寂しくなっちゃって、その時に丁度、知り合いに犬が産まれたって聞きつけて、もらったってわけよ。別れて気が付くことも色々とあって、でも僕から言い出して、別れた訳だし、よっちゃんを幸せに出来なかったから、せめてこの子を育てて幸せにしようっと思ったんだよ。だから好美って名前にしたんだよ。まさか急に出張が決まるとおもってなかったし、預けるなら実家に頼むよ。僕もよちゃんと同じ名前の人に預けるの結構恥ずかしいんだよ。と少し顔を赤くしながら言った。へ~この人そういう一面もあるんだ~一緒にいる時は、ドライで血も涙もない人間と思っていたからね。そんなに私との別れを後悔しているなら、寄りを戻してもいいんだけどっと私は心の中でおもった。で、このよっちゃんの事はどうすればいいの?と聞くと、まだ小さいから散歩は一日一回で大丈夫。ごはんは日数分小分けにして持ってきているから、朝起きてからと、夕方ね。タイマーで出る入れ物を持ってきているから、朝ごはんをあげたら、夕方にセットをして出かけてくれたらいいから、ならよっちゃんが仕事で帰りが遅くなっても勝手にご飯が出てくるから安心でしょ。へ~便利なアイテムがあるものね~と私は感心をした。それと、トイレは基本お家の中でするから。ペットシーツを持ってきているから、それをこれにセットしてね。うん解った。大人しくていい子だから、よっちゃんも飼いやすいと思うよ!じゃあ頼んだよ。僕もう仕事に戻らないとダメだから、行くよ。え~もう行くの?久しぶりにあったから、お茶でも?と思ったけど、仕事なら仕方がないわね。そういうところは。相変わらずなんだから~と笑いながら雅也君を玄関まで見送った。よっちゃん、よっちゃんの事をたのんだよ!と言い帰っていった・・・
とりあえず、なついてもらわないと話にならないから、雅也君にはあまりおやつをあげないように言われたけど、良いわ。あげようとよっちゃん専用のキャリーバックから、おやつを取り出した。よっちゃんおいで、あなたの好きなおやつよ~と少し赤ちゃん言葉でケージの中の子犬のよっちゃんに近づいてみた。近づいていくと、キョトンとした顔で私を見つめていた。ほら、おやちゅでちゅよ~とより近づくと、子犬のよっちゃんも人間のよっちゃんに近づき、おやつをクンクンと匂いを嗅ぎ、パクっと食べた。案外ちょろい物ね。子供と動物はおやつで手なずけられるわ。と思った(笑)何個かおやつをあげて、ケージの外に出してみた。子犬のよっちゃんは初めての部屋なのか。部屋中の匂いを隅々まで嗅ぎ、安全だと解ったのか、トイレシーツの場所へ行き、ちゃんとオシッコをした。ま~なんて賢い子犬なのかしら!名前が良いのよ。字数が良いのよ多分だけどね。と我ながら訳のわからない理由で納得をした。子犬のよっちゃんが、ク~ンク~ンと鳴きだした。なんで急に鳴くのかしら?雅也君が居ないから寂しいのかしらね。それは、どうしてあげる事も出来ないし、と思い少しの間知らないふりをして、テレビを観た。でも子犬のよっちゃんは一向に鳴き止む様子がない。どうしようと思い携帯を取り出すと、雅也君からメールが届いていた。確認をすると、困った事が有れば、キャリーバックの中によっちゃんに関する事をまとめたノートがあるから、見る様にという内容だった。ふ~ん仕事のできる男は段取りがいいわよね。と関心をした。キャリーバックを開け、ノートを探した。ノートを見つけ、読んでいくと、へ~マメに色んな事が書いてあるのね~。え~っと鳴いたらとかは書いてあるのかしら?ページをめくっていくと、あった。鳴いたら散歩かも?何これ。いきなり散歩?何時よとサイドボードに置いてある時計を見ると。17時過ぎていた。もうこんな時間か。一日一回散歩って言われたし、仕方がないわね。運動がてら散歩でも行こうかな。とキャリーバックからリードを取り出した。リードを見ると子犬のよっちゃんは、ワンワンと鳴き催促をしてきた。そんなに散歩に行きたかったのね。なら連れていってあげるわ。とケージから子犬のよっちゃんを出し、リードを繋いだ。さてと行きますか?と子犬のよっちゃんを見ると何故か嬉しい表情に見えた。少し、可愛いと心の中で思った。子犬のよっちゃんを抱き、部屋を出て、外へと向かった。子犬のよっちゃんを降ろすと、最初はリードを引っ張り気味で走っていたが、私がリードを引っ張るとスピードを落とし
私の横にピタッと付ながら歩くようになった。ノートに書いてあった通りだわ。犬の保育園に通っているおかげで、しつけはバッチリと出来ている。子供も一緒よね。保育園や幼稚園で学ぶものね。三つ子の魂百までっていうし、私も子供が出来たら。幼いうちに色んな事を学ばせよう。そうなると幾らくらいかかるのかしら?犬の保育園も結構お高いと思うし、子供となると、結構かかるわよね。やっぱりお金は必要よ!お金持ちのメンズをゲットしないとダメよね。なんだか急に焦ってきたわ。と散歩をしながら思った。気が付けば公園へ来ていた。回りを見渡すと。結構、犬を連れて散歩をしている人がいるのに気が付いた。ワンちゃん人口って案外多いのね。皆、顔見知りなのか、立ち話をしているし・・・私はいいわ。だって二週間で子犬のよっちゃんは雅也君のもとへ帰るしね。仲良くなる必要なんてないわよね。噴水の時計を見ると、40分もたっていた。よっちゃん、もう帰ろうね。私、明日初出勤だし、早く帰って明日に備えないといけないしね。と子犬のよっちゃんに話かけた。さてと帰ろう~とマンションへ帰った。マンションへ着くと、一階にワンちゃん専用の足洗い場がるので、子犬のよっちゃんの足を洗い、部屋へと向かった。子犬のよっちゃんにご飯をあげて、ケージに入れて、お風呂に入って。明日から新しい職場か~ちゃんとできるかしら?武内さんだっけ、優しそうだったけど、うまくやっていけるかしら?あっバイセクシャルって、裕ちゃん言ってたわよね。本当かしら?でも裕ちゃんが言うから間違いはないわよね。
よし、何でもいいわ。今度こそ社内恋愛無しで頑張ろう!とお風呂をでた。子犬のよっちゃんを出し、お顔の基礎をしながらやっぱりエステに行くといいわよね~。機械もいいけど、やっぱり人の手にはかなわないわ~と思った。髪を乾かし、冷蔵庫にある物で夜ご飯を作り、テレビをつけた。早々にご飯も食べ終わり。子犬のよっちゃんの様子が気になったので、ふと見ると、ケージに入って寝ていた。疲れたのね。可哀そうに・・
二週間だから、我慢してね。二週間たつと雅也君が迎えにくるからね。と言いケージのカギをかけた。夜ご飯の片付けをして、明日着ていく服の用意をし、テレビを観た。さてと、明日も早いし寝よう~と。よっちゃんお休みね。と電気を消してベットに入った。電気を消した瞬間ク~ンク~ンと子犬のよっちゃんが鳴きだした。マジか~どうしたのかしら?と電気をつけると、悲しい目をしながら私を見つめている。ホームシックかしら?と思いよっちゃんノートを開けてみた。すると、え~電気を消すと夜泣きをする場合もあります・・・マジか~私は真っ暗にしないと寝れないタイプ。そのことは雅也君も知っているのに、何故私に預けた~と怒りがこみあげてきた。でも子犬のよっちゃんには罪はないし・・・二週間我慢すればいいのよと、自分に言い聞かし、電気をつけたまま寝ることにした。目をつぶって寝ようとするけど、眠れない・・・最悪・・・でも電気をつけると子犬のよっちゃんが鳴く・・・鳴く=近所迷惑。ならつける・・・はぁ~仕方がない。二週間、二週間。でも寝れない・・・と葛藤をしているうちに知らない間に眠ってしまっていた。6時に目覚ましがなり起きた。
寝たような寝てないような感じ。さてと顔を洗おうと思い洗面台に立ち鏡に映った顔を見ると、ぎゃ~せっかくエステに行ったのに、浮腫んでるし、目の下のクマが・・・すごい・・・泣きそうになった。初出勤なのに
お顔がイケてないなんて、睡眠不足もお肌の敵だから。でもなってしまったものは仕方がない。化粧で隠していこう。にしゅう二週間・二週間と呪文のように唱えながら、用意をして、子犬のよっちゃんに朝ごはんをあげながら、自分も食べた。夜ご飯のタイマーもセットをし、じゃねよっちゃん、私お仕事に行くね。いい子でね。電気はつけていってあげるからね。と言い、部屋をでた。はぁ~本当に二週間、こんな生活が続くのかしら?
一日目でこんなに疲れるなんて、こんな調子で今週末にクラブに行けるかと思い、新しい職場へと向かった
ダメンズ製造機 強く願えば、必ず叶う! おいもちゃん @hakusai58
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