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神崎護…ゴルフのドライバーを振り上げていた。


力いっぱい振り下ろすのを見た。


パパの声…悲鳴…。


自動ドア越しに見る現実…TVを観てるようだった。


[やめて…やめて!]

私は声にならない声で言った。足が動かなかった…声が出なかった。


神崎護…ドライバーを何度も振り下ろす。


……もうパパの心に私はいない…そう思う。


丸まっていたパパ…動かなくなっていた。


神崎護…何度も振り上げていたドライバー…今は持ち上げたまま、振り下ろさずパパを見ている。


……私はパパに棄てられた…可哀想な私…そう思った。


[やめないで!]

私の頭の中…哀しみと憎しみ…。


その瞬間、神崎護は私を見た。


神崎護は私を見ながら、振り上げたドライバーを振り下ろした…。

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