小説ストリートファイターⅡ
はるまき
第1話リュウVSケン
辺りは真っ暗な闇の中。そこには禍々しいオーラの出た列車が止まっている。その列車の上で一人の男が立っている。
ガイル「誰だ貴様!ナッシュをどうするつもりだ」
地面に横たわったタンクトップを着た金髪トサカの男が叫んでいる。
???「フッハッハッハ‼︎コイツは我々シャドルーの秘密を知ってしまった…シャドルーの秘密を知ったものは死あるのみ!」
暗くて奴の姿は見えない。恐ろしく光る目だけが闇の中から見える。ガイルはボロボロの体で奴に立ち向かう。残った力を全て引き出し、ブーメランの様な波動を飛ばす必殺技、ソニックブームを繰り出した。
ガイル「ソニックブーム‼︎」
しかし奴は片手でソニックブームをかき消した。
???「じゃあな…ガイル…地獄行きの列車の出発だ!フッハッハッハ‼︎」
列車はアメリカ空軍であるガイルの親友、ナッシュを乗せて消え去った。
ガイル「ナッシューーー‼︎‼︎」
それから三年が過ぎた…
[JAPAN]
月夜の晩、一人の青年が空手道場の屋根の上でサンドバッグに蹴りを入れている。
リュウ「昇竜拳‼︎」
彼はサンドバッグを宙に上げて強烈なアッパーを打ち込みサンドバッグを粉砕した
リュウ「今日はこのへんにしとくか」
空手道着をきて赤い鉢巻を締めた青年はつぶやいた。彼の名はリュウ。一七歳にして空手日本一で今ではストリートファイターとしていろいろな格闘家と路上対戦をしている。
リュウ「ケン…今頃どうしているだろう…」
リュウは道場の正面を向いて瞑想しながら幼なじみのケンのことを考えていた。彼は一年前に修行のためにアメリカに行っている。リュウと同じ道場で空手の修行をしていたリュウのライバルだ。
剛拳「どうしたリュウ、こんな夜中に」
リュウの師匠である剛拳が道場に入ってきた。
リュウ「いや、特に何も。そろそろ寝ようと思ってました。」
剛拳「お前、ケンのことを考えているな?」
剛拳は弟子の考えていることなどすぐにわかってしまう。
リュウ「あぁ、今頃どうしてるかなー?って」
剛拳「リュウ、アメリカに会いに行ったらどうだ?」
リュウが一瞬「え?」となった。
剛拳「木が育つには雨が必要、雨が降るにも木が必要。お前もそろそろ雨が欲しくなったんじゃないか?それと今度ストリートファイトの大会があるんだ。もちろん参加するだろ?」
リュウ「そうだな…ケンの様子みがてら参加しようと思います。」
ケン「どけどけー‼︎ハッハッハッハ!」
金髪の男が彼女のエライザとバイクに二人乗りして山を走っている。
彼がケンだ。ケンは修行の途中にエライザに出会い、それから彼女と楽しく暮らしている。どうやらしばらく修行をサボっているらしい。
ケン「フウ、どうだ楽しかったか?」
エライザ「ええ、あんなにはしゃいだのは久しぶりね」
ケン「三日ぶりだけどな。ハハハッ」
家に帰り着いたケンが家のポストを開けると手紙が入っていた。
ケン「リュウからか…」
エライザ「誰?お友達?」
ケン「あぁ、まぁな…」
ケンは一人になって手紙を開けた。
「元気にしてるか?明日そっちにいってストリートファイトをしようと思ってる。
しっかり準備しとけよ?まさかアメリカでサボってるんじゃないだろうな?笑
今度ストリートファイターがあるみたいだから一緒に参加しようぜ。リュウ」
ケン「ストリートファイターか…そろそろ俺も鍛えんとなー、少し太ったし…」
この大会が終わるまでエライザには会わない。ケンはそう決勝した。
次の日ケンはエライザに置き手紙を残して船着場に向かった。
「探さないでくれ。必ず帰ってくる。ケン」
リュウは飛行機でアメリカに着いた。
[U.S.A.]
リュウ「ここがアメリカか…」
リュウは空港を出た。そこには大きなハンバーガーを食べながら歩く人やスケボーに乗っている集団がいた。
リュウ「アメリカらしいな」
リュウはケンの手紙を頼りにケンの家に向かった。
リュウ「ここから船に乗ればいいんだな」
リュウはケンの家の近くにある船着場に到着した。そこには既に赤い道着を着たケンがいた。
ケン「久しぶりだな、リュウ」
リュウ「お前、少し太ったんじゃねーか?」
ケン「それについては触れるな」
リュウ「スマンスマン笑 よしっ、やるか‼︎」
ケン「早速か」
周りの人達は不思議そうな目で二人を見ている。
一般人「ストリートファイターか⁉︎せっかくだから見て行こうぜ!」
リュウ「いくぞ!」
ケン「おう!」
リュウとケンは向かい合ってファイティングポーズをとった。
[LOUND1 FIGHT!!]
リュウはケンに中パンチを打ち込んだ。
ケン「やるな」
そう言ってケンは強パンチをリュウに当てようとした。が、リュウが弱パンチをいれ、ケンは攻撃に失敗した。
リュウ「ちょっと鈍ってるんじゃねーかー?」
ケン「言ってくれるぜ」
そう言うとケンはリュウの襟と袖をもち巴投げをした。
ケン「どうよ、俺も少しはやるだろ?」
リュウ「フン、こっちもいくぜ‼︎」
リュウは腰の横で波動を作り出してケンに向けて放った。
リュウ「波動拳‼︎」
ケン「ウワーーー‼︎‼︎」
[YOU WIN]
リュウは胸の前で腕を組んだ。
リュウ「ヘヘッ、どうだ」
ケン「さすがだな。だが次は負けねーぜ!」
ケンはペットボトルの水を飲んで体勢を立て直した。
ケン「休憩はおしまいだ覚悟しろ!リュウ!」
[LOUND2 FIGHT!!]
リュウ「波動拳!」
リュウは波動拳をしたがケンはジャンプをして波動拳をかわした。
ケン「波動拳はもう通じねえぜ」
そう言うとケンはリュウの懐に入り、しゃがんで強キックを入れた。
リュウ「ウッ!」
リュウが倒れたと同時に近くに置いてあったドラム缶が音を立てて壊れた。そしてリュウが立ち上がるか立ち上がらないかのところでケンは波動拳を発動した。
ケン「波動拳‼︎」
するとリュウが立ち上がった瞬間に波動拳が命中した。
リュウ「お前もやるじゃねーか」
ケン「まだ終っちゃいねーぜ!」
ケンはリュウの近くまで行き、足を上げて空中で回転する必殺技、竜巻旋風脚を放った。
ケン「竜巻旋風脚‼︎」
リュウ「ウワーーー‼︎‼︎」
[YOU LOSE]
ケンはとびきりの笑顔でピースした。
リュウ「オイオイ手抜いてたのか?笑」
ケン「ペースを取り戻しただけよ」
二人はペットボトルの水を飲み干した。
ケン「それじゃあラウンドスリーといくか!」
リュウ「おう!」
[LOUND3 FIGHT!!]
ケン「早速いくぜー!」
ケンはしゃがんでリュウに強キックを入れてリュウを倒し、波動拳を放った。が、リュウは瞬時に立ち上がり波動拳をジャンプで避けた。
リュウ「何度も同じ手に引っかかるかよ!」
ケン「さすが、日本のチャンプは違うぜ」
リュウは小パンチ小キック中キックを連続で打ち込んだ。
リュウ「これが俺流のやり方だぜ」
ケン「まずいな…」
そう言うとケンは竜巻旋風脚を繰り出した。
ケン「竜巻旋風脚‼︎」
リュウは回転しているケンに強烈なアッパーを打ち込む必殺技、昇竜拳をした。
リュウ「昇竜拳‼︎」
ケン「ウワーーー‼︎‼︎」
[YOU WIN]
リュウは天に向けてガッツポーズをした。
ケン「フウ、さすがだなリュウ…」
ケンは戦いで乱れた金髪の髪を整えながら言った。
リュウ「お前もな」
二人は私服に着替えながら話していた。
リュウ「これで一勝、ストリートファイターまでの道のりは長いな…」
ケン「お前はもちろんAブロック狙ってるよな?」
リュウ「ああ」
ストリートファイター、それは世界中の格闘家が路上で闘う異種格闘技戦、ストリートファイトの大会である。
開催期間中に勝った数によって決勝リーグのブロックが異なる。七勝以上がAブロック、五勝から六勝がB、C、Dブロック、三勝から四勝がE、F、G、Hブロックである。
リュウは世界中を回って大勢の格闘家とストリートファイトをするつもりだ。
ケン「そういえば空軍基地に最高にイカしたファイターがいるぜ」
リュウ「本当か⁉︎」
ケン「ああ」
リュウはその男に会ってみたいと思った。
ケン「それじゃ、船に乗って空軍基地までいくか!」
空軍基地はリュウが乗った飛行機の空港の近くである。
リュウ「戻んのかよ⁉︎」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます