戦闘とか本当に苦手なんです、ごめんなさい

p!ty

第1話:戦って何が面白い

「あーあ、今日も今日とてやる事がないなあ。」


私の独り言は青い空に浮かんでは消えてく。

周りは"化け物"と戦って、報酬を得て生活している。

私はどうだ?

戦うのが嫌いっていう理由だけで、戦わずにいるもんだから報酬なんて手に入らず。

飲食店で働いて、理不尽なパワハラに合いつつも報酬を得ている。

何やってんだろ、私。


「…さくら、ここに居たのか。」


「げ、参月さんじゃないですか。」


顔を顰めている私の前に居る人物は"参月 厳"。

名前の通りとてもとても、それはとても厳しい人物。

他の人に聞くところ、厳しいのは私に対してだけだそうだが。


「お前はまだ戦わないのか。」


「戦いませんよ。だって痛い思いもしたくないし、死ぬ確率も一定あると考えるとデメリットばかりじゃないですか。」


「…もしお前にその才能があるとしたら?」


「無いんで大丈夫です。安心してください。」


参月さんは私に会う度才能があったらどうする、だの戦え、だのうるさい。

何故私がそこまでのリスクを背負わなければいかんのだ。

参月さん曰く、私は食わず嫌いみたいなものだとかなんとか。

知らんがな。


「さくら。」


「なんですか、今度は。」


「サポートをするだけでいい。サポートだけで戦わなくていいとなったらお前はどうだ?」


「いや、それでも無理です。血を見るのとか本当に即失神案件なんで。」


「見てもいないのに…。」


「見てもいないからこそ余計怖いんです!分かりますか!?」


私へのこの勧誘はいつになったら終わるのか。

早く終わってくれ、面倒でしかない。

この時の私は断り続ければ関与もせず、今まで通り暮らしていけると思っていた。

が、甘かったようだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

戦闘とか本当に苦手なんです、ごめんなさい p!ty @micoron7

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る