マジックジェネレーション、略して、マジ!?

猫のまんま

第1回戦 プリティガール、ハニーちゃん!

 私は、マジックジェネレーション(通称、MG)というゲームを始めてかれこれ1年ほど経った。といっても、このゲーム自体が発売が始まってから2年しか経っていない。

 なのに、日本だけではなく世界でも大人気ゲームとなっていた。


 このゲームがどんなゲームかと言うと、このゲームのキャッチコピーにもなっている。誰でも魔法使いになれる。その先は、自分の努力次第。という言葉のまま、このゲームでは、プレイヤーは魔法使いになれる。


 どういうことか、具体的に説明すると長くなるから割愛する。習うより慣れろだ。


 暇があれば、また説明しようと思うが今の私にはその余裕はない。


 何故なら今、私はそのMGの大会出ているからだ。


 「赤コーナー! 西の魔法使い! みんなのアイドル! プリティガール、ハニーちゃんの登場です!」


「「わー!!」」


 私の向かい側から、私の対戦相手が現れる。いかにも、強そうだ。

 観客の歓声も、こころなしか対戦相手の方が多い気がする。


「青コーナー! 東の魔法使い! ジャッチメントアイの申し子! 魔法少女(25歳)!


「「わー! その歳で魔法少女ってアリかー!」」


 ……なんか、自分の時だけヤジが多い気がする。


 「オマエ、ココデ、マケル!」


 私の対戦相手が、私に話しかけてきた。


 "彼"は、とても屈強そうな体で、服装は"軍人"のような迷彩柄の服装を着ていた。職業はきっと外国軍人だろう。


 「ドウシタ? ビビッタカ?」


 私が、黙っていることをいいことに彼……ハニーちゃんは、私を煽ってくる。なんて甘いことだ。


 「こんなとこで、びびってたらこの歳まで魔法少女でいられないよ。あなたにも、わかるでしょ、ハニーちゃん?」


 「HA、HA、HA!」


 目の前のハニーちゃんは、笑った。


 「……チガイナイ!」


 彼の体が、光に包まれる。どうやら、ゲームの開始合図だ。せっかちだな、外国人プレイヤーは。


「おおっと! ハニー選手が先に変身を始めた! 魔法少女(25歳)選手も変身を始めてください!」


「わかった」


 私は、自分の腕のリング手をかざす。


「私をもう一度……魔法少女にして! マジックトランスフォーム!」


 すると、私の体も光に包まれて、私の体に変化が起きる。


 短めきった黒髪が腰の位置まで伸びて、身長も少し伸びる。……あと、お腹周りは少し細くなる。

 衣装も女気のない服装から、ヒラヒラのゴシックロリータファッションに移り変わった。


 見た目は、まるで学生の頃の私だ……ゴシックロリータは着ていなかったが。


「さぁ、私は終わったわ。あなたは?」


 私は、変身が終わったが対戦相手であるハニーが先に変身したのに、まだ終わっていなかった。それも、そうだろう。


「全く、もう! 私より先に変身するなんてどういう了見なのよ、もう!」


 "彼"の体は、次第に形を変えて半分近く小さくなった。声帯も、聞く限り女の子になっていた。


「早く、変身時間の統一化アップデートがきてほしいわ!」


 そういいながらも、"彼女"の変身は終わった。

 容姿は、完全に女の子になっており服装も外国のお姫様のようなドレス着ている。手には、魔法のステッキも持っていた。


「みんなー! プリティガール、ハニーちゃんよ! よろしくね!」


「「うおぉぉぉぉ!!」」


 ハニーちゃんの声に会場が沸き上がる。どうやら、私にとって完全アウェイだ。


「さぁ、マジってマジマジ!!」


 ハニーちゃんが、私の方に魔法のステッキを向けてくる。ゲームプレイヤー同士の開始の合図だ。


「あぁ、マジってマジマジ!!」


 私も、ハニーちゃんの合図にこたえる。


「さぁ! 大会開始です!」


 司会の開始の合図で、プレイヤーの私たちはすぐに動きだした。


 皆、わかったと思うが、このゲームは基本的になんでもアリだ。


 ゲーム対応エリアだったら、どこでも変身は可能。しかも、変身した場合はプレイヤーの設定した姿に変身する。


 容姿、身長、歳、性別をどんな変更も可能。

 ただ、魔法使いとしての能力だけは、自分の努力次第で様々に変化するように設定してある。能力のリセットは、不可能。


 「よそ見してる暇が、あるのかしら?」


 私の前に、火球が通りすぎていく。わざと、ハニーちゃんが魔法を撃ったようだ。私は、完全になめられている。

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