私🅰️と私🅱️の今日の会話 骨髄ドナー編

骨髄ドナー候補になった。

私🅱️「お!お!お!おー!すごいわ〜!」

私🅰️「うん、すごいすごい。」

私🅱️「とうとうきたなぁ」

私🅰️「おめでとう。」

私🅱️「ありがとう。いや、別におめでたい事やないけどね😅」

私🅰️「いや、あんまり嬉しそうだから。でも、たしかに私にとって別におめでたい話しなわけでもないな。」

私🅱️「うん。私にとって別におめでたい話しではない。でも、どこの誰かは知らないけれど、患者さんにとっては、めでたい話しだわね。」

私🅰️「そうだね。自分と同じ白血球の型の人間が見つかったんだからね。生きるか死ぬかの病気で、これで生きる可能性がぐんと高くなったんだからね。」

私🅱️「5年前に友達のミカコの子どもが白血病になって、骨髄移植が必要になるかもって聞いて、いてもたってもいられなくてドナー登録したんだよね。」

私🅰️「そうだったね。ミカコの子どもは、結局移植もせずに治癒して良かったけど、それでも誰かの助けになるのかなと思ってドナー登録は継続してたんだよね。」

私🅱️「まあ、適合者が見つかる事って少ないって聞くから、自分が候補者になる可能性は少ないとおもってたよね。」

私🅰️「そうだね。それが今回SMSで

『【日本骨髄バンクからのお知らせ】あなたとある患者さんのHLA型が一致し、ドナー候補者に選ばれました。書類を郵送しましたので、受理後7日以内にご返送ください。』

なんてお知らせがきて、今日その書類が届いたんだからビックリしたよー。SMSの時点では、ひょっとして詐欺かいたずらかと思ったよね」

私🅱️「ちゃんとホントでした。なんか…ワクワクする〜。まさに"選ばれし者"っていう感じ」

私🅰️「勇者だね。しかし、喜び過ぎやろ。

患者にとっては生きるか死ぬかの問題なのに

私🅱️「いいの、いいの。だって私、お産以外で入院したことないし。」

私🅰️「手術室で10年も働いたのにね。骨髄採取の担当もしたよね。」

私🅱️「そうそう。18年前まで看護師してたからね。12年の看護師生活のうち10年は手術室。でも患者として入院したこともないの」私🅰️「一般のひとは全身麻酔とか腰にブスブス針刺すとか聞くと怖くなっちゃうよね。」

私🅱️「前にミカコが言ってた。

『やっとドナーが見つかった!我が子が助かるかも?って喜んでいた家族が断られて泣いている姿を何度も見てきた。』って。

その点、私は何の怖さも感じないわ。10年、頭のてっぺんから足の先までのあらゆる手術と、局所麻酔に半身麻酔、全身麻酔全ての麻酔を見てきたけど、命に関わる事故とかミスって見たことないもんね。へーきへーき。」

私🅰️「そんで、ワクワクだけがあるわけだ」

私🅱️「そういうこと。まあ、心配なのは…採取する病院。自分が働いてた病院になりそう。採取できる病院って近場では2つしかないし。」

私🅰️「そうね。県内ならあそこしかないね。

辞めて18年も経ってるから、もう知ってる看護師はいないでしょ?」

私🅱️「いなくていい、いなくていい。だけど…知ってる看護師はいなくても、麻酔科医はいるよね。知ってる先生、残ってるよね」

私🅰️「あ〜、それは、いるね。」

私🅱️「真っ裸、晒すのかぁ😣」

私🅰️「まあ。入室時から麻酔かかるまでは、シーツかかってるから」

私🅱️「そりゃそうだわ!でもなぁ、麻酔かかって、私がわからん状態になって…

バルン(尿道カテーテル)入れられて直腸計(体温計)入れられて、バサっとシーツ剥がされて、『ヨイショ!』てみんなで身体をひっくり返されて尻丸出しで固定されて…………

落ち着いたら古株の麻酔科医から『たまちゃん、けっこう肉付いてるなぁ』とか『ここで働いてた時より太ったよな』て、言われたり思われたりするんだと思うとぉ!」

私🅰️「……言う…かもしれない…ね。」

私🅱️「でしょー!それがイヤ〜」

私🅰️「まあ、言ってても、麻酔かかってるから、寝てるんだから、聞こえないし、わからないし😓」

私🅱️「わからないとこで言われてると思うとイヤ〜!」

私🅰️「じゃあ、どうするん?ドナー提供はするでしょ?」

私🅱️「🤔…幽体離脱する!」

私🅰️「はあ?」

私🅱️「麻酔かかったら、頑張って幽体離脱する!んで悪口を言わないか見張る!」

私🅰️「いやいや、幽体離脱の方法とか知らんし!出来たとして見張ってても言われるがままで、どうしようもないし⁉︎」

私🅱️「いいの!だから…前日くらいに麻酔科医の診察あるでしょ。手術室看護師の術前訪問も。」

私🅰️「あるね。私もやったね。次の日に手術担当する患者さんに訪問して色々説明して安心してもらうってやつ。麻酔科医も前日診察に行ってたね。」

私🅱️「そう、それ。その時に言ってやる。『私は麻酔がかかったら幽体離脱して、あんた達を見張ってるから、絶対に悪口いうなよ』って」

私🅰️「苦笑されて『ハイハイ』て流されるだけだと思うけどね。…まあ、言うだけ言ってみたら?」

私🅱️「よし!今から幽体離脱の特訓だ!」

私🅰️「それより、早く問診表かいて郵送したら?」

私🅱️「あ、そうだった。7日以内に返送って書いてある。7日もいりません〜。まあ、いちおう旦那には報告して、明日発送しよう!」

私🅰️「相談じゃなくて報告なんだね。そうだね。」

私🅱️「あー、楽しみ〜❤️」

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