第2話 キジトラ猫と花を愛でる
うららかな春の朝、キジトラ猫がベンチの上で待っていた。「ミャ〜オン!」
猫はなぜ、よく病院の敷地にいるのか?
——キジトラ猫は人間が大好き。誰にでもなつく。ここにいると、多くの人にかまってもらえるから——
春の風、芝生の大地にはねじ花・すみれ・黄色い花や綿毛のたんぽぽ——。
キジトラ猫といっしょに、春の風情を感じていると——、誰かが猫を呼んだ。
「ミャ〜オン」と鳴いて、キジトラ猫は声のする方へと駆けて行った。
良かった。これで後ろ髪を引かれずに、デイケアに戻れる。
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