第4話 茂みの中でお昼寝

 キジトラ猫が、茂みの中の落葉の上で毛繕いをしている。


 そしてごろんと横になると、目をつむった。お昼寝だ。遊びたいけど起こさないでおこう。


 猫の眠りは浅い。頭は持ち上げたまま——。風の音や、その他のちょっとした音にも、耳が反応して動く。


 やがて猫は寝返りして頭を落葉につけ、やっとリラックスな姿勢になった。



 猫友が通りかかった。「猫見た?」


 私は猫友に、お昼寝中の猫の居場所を教えた。猫友は猫をなでたので、猫は起きた。


 猫友は去り、キジトラ猫はまた眠った。私はそぉーっと、猫の側を離れた。



病院の入り口で私はまた、違う猫友に会った。


「猫いた?」と聞くので「茂みの中で、お昼寝しているよ」と答えた。


(この人は車椅子だけど、猫探せるかな?)


私が病院のロビーから見守っていると、猫友は車椅子から立ち上がって、猫を探していた。


(あっ、見つけたみたい。ごめんね、キジトラ猫ちゃん。また、起こされたね)

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