第58話「チート嫁VSチートゴーレム。そして神域の気配」

 ダンジョンの大広間にはボスがいた。


 氷でできた巨人で、身長は5メートル前後。


 神殿の柱みたいな胴体に、大木のような手と脚がついてる。さっきからダンジョンが揺れてるのは、こいつが中枢に通じるドアをこじ開けようとしてるからだ。


 イリスからの情報に、こんな奴のことは書いてなかった。


 それに、こいつはダンジョンを「守ってる」わけじゃない。逆だ。


「セシル、こいつがなんなのか分かる?」


 大広間手前の通路の陰で、僕はセシルに聞いてみた。


「は、はい」





『アイスゴーレム


 氷でできたゴーレム。


 周囲の水分を魔力で凍らせて、身体を作っている。


 ただし、このアイスゴーレムは少し特殊。


 身体の中心に魔力の結晶体があって、まわりから魔力を吸収している。


 この聖地の結界が弱くなっているのはそのせい。


 ただし──』



 


「ただし、ゴーレムが自然発生したり、どこかからやってくるなんてことはありえません」


 だよねぇ。


 あんなのが聖地をのっしのっし歩いてたら噂にならないはずない。


『本当にあったイルガファの怖いはなし』のできあがりだ。


「ってことは、誰かがここにあれを置いてったってことだよな」


「正確には、ゴーレムの元になる『魔法のアイテム』を、です。それが周囲の魔力を吸い取って、ああいうものを作り出したんです」


「……計画的犯行ってこと?」


 リタが僕の隣でつぶやく。


 すっごい、嫌そうな顔してる。たぶん、僕も同じ顔してると思う。


 つまり結界が弱まったのは、自然現象じゃなくて計画的なもの。


 ぶっちゃけると、誰かが『海竜の祭り』を──へたすると、このダンジョンそのものを壊そうとしてるってことになる。




 どぉん、どどぉん




 ゴーレムは中枢に通じるドアや、壁を叩き続けてる。


 いつからそうしてるのかわからないけど、このままだと最悪、ダンジョンが壊れる。


 ──そうじゃなくても、こんな状態でイルガファの守り神なんか戻ってこないよな。




 ぎ、ぎぎぎ




 鳴き声がした。


 よく見ると大広間の隅に、ラージサーペントがいた。


 全長数メートルの大蛇は、ゆっくりとゴーレムの背後から近づいていく。まぁ、こんな大音量で暴れられたら、魔物だって落ち着かないよな。ナワバリを荒らされたと思ったのか。


『警告スル!』


 あ、気づかれた。


 アイスゴーレムが振り返る。


 人形のかたちをした魔力の結晶体が動いてる。


 こいつ、しゃべる上に意識もあるのか。


『ワガハイは魔王対策のために作られた試験体である。触れることは許されない!』


 ゴーレムの手が、サーペントの胴体をつかんだ。


 サーペントの尻尾が、ゴーレムの腕を叩く。けど、びくともしない。


 代わりにサーペントの身体が凍っていく。


 さらに周囲に、氷でできた大剣が生まれる。発射されたそれは、サーペントの身体を簡単に貫き。粉々にした。


 うん。強い。


 自我を持ち、特殊スキルを使うゴーレムか。


 めんどくさいな。





「どうする、ナギ?」


「やっつける。倒せそうもなかったら一旦戻って出直す」


「了解。で、作戦は?」


 リタ、そしてセシル。


 僕たち3人は額をくっつけて、ひそひそ相談。


 ゴーレムの身長は5メートルくらい。大木みたいな手足がついてる。頭は胴体に埋もれてる。身体は氷でできていて、胸に赤い人形が埋まってる。あれが魔力の結晶体だ。ゴーレムの動力で、やつを作っている魔法のアイテムでもある。だから、あれを壊せばクリアだ。


 中枢の入り口はちょっとした体育館みたいな大広間。戦うスペースには十分だ。


「古代語魔法『火球』で吹っ飛ばすのは駄目ですか?」


「あれは最後の手段。ダンジョンに被害を出したら報酬がチャラになるから」


「わかりました」


「リタは隠れてて。万が一、僕たちが動けなくなったら救出して」


「……それでいいの?」


「全滅するわけにはいかないからね。リタと……それからスライムは切り札だ」


『……我が?』


 足下でレギィが取り憑いたスライムが、ふにゃん、と震えた。


「目的は魔力の結晶体の破壊。それが難しいようなら逃げる。いいな」


 僕の提案に、セシルとリタがうなずく。


 それじゃ……攻略開始といこう。







『警告スル!』


 僕が大広間に入ると、ゴーレムの胸に埋め込まれた人形がこっちを見た。


『ワガハイは魔王対策のために作られた試験体である。触れることは許されない!』


「こっちは海竜の巫女の命を受けてここに来てる」


 僕は赤く光る人形に向かって話しかける。


「イリス=ハフェウメアからお前のことは聞いていない。もしもお前が巫女の仲間ならば、僕たちを通せ。中枢までの安全が確保されたなら、黙って帰る」


『……警告スル!』


 話が通じてない、わけじゃない。


 人型の結晶体は僕の方を向いてる。認識はしてる。


『ワガハイの使命を邪魔するものの存在は認められない』


「僕たちの仕事の邪魔をするものの存在も認めねぇよ」


『見知らぬ者よ。お前の仕事など知らぬ。ワガハイは魔王対策の試験体である。魔王だぞ。魔王。そのためにはあらゆる犠牲が正当化される』


「魔王対策って言えばなんでも許されると思ってないか?」


 こいつ、人格があるんだよな。


 というか、人格をコピーされたなにか、って感じがする。言ってることがすごくうすっぺらで、聞いててむかむかする。こいつ、まるで上司のセリフをそのままバイトに向かって話してる社員みたいだ。


 まぁいいや。まずは情報を得よう。


 こいつを誰が作ったのか、そいつの目的は何か。


 情報をイリスに伝えれば、追加報酬くらいは請求できるかもしれない。


「……魔王対策と言ったな」


『左様。さる高貴なお方によりワガハイは作られた』


「高貴なお方? 国王か貴族か?」


『……こうしている間にも魔王の犠牲者は増えていく。お前はその責任がとれるのか? ワガハイの妨害をするとは魔王の援助をしているのに等しい。それに引き替えこのダンジョンの奥地で使命を果たしているワガハイは、なんとすばらしい。それの使命を与えてくれた高貴なお方はなおのことだ』


「それでお前の仲間は他にもいるのか? 魔王対策をしているのは、もしかしたらエルフの可能性も──」


『まったく、ワガハイの主人の使命を理解しないとは、死んだ方がいいだろうな。海竜の祭りなど、ただの個人的な都合ではないか。そんなことで魔王対策という究極の使命を妨害するとは。社会人の一人として、それくらい我慢できないのか?

 ワガハイの主人はそのようなわがままなど一言も言わなかった。魔王対策のノルマを果たすために、働いておられるのだ!』


 だめだこいつ。


 人格を持つなにかとはいろいろ話してきたけど、一番話が通じない。


 あと、魔王対策のノルマってなに。


「……ったく。魔王対策してるやつって、どうして他人の迷惑考えないんだよ」


『ワガハイの主人が成果をあげるためには、個人の迷惑などチリ以下である!』


「あーはいはいそう言うと思ったよ!」


 もういいかな。どうせ倒すんだ。


 秘匿ひとく情報でかまをかけてみよう。


「最後にひとつ聞く。

 お前の主は、異世界から来た『来訪者』か?」


『禁忌情報』


 ゴーレムが言葉を切った。


『禁忌情報第7項に抵触する者を発見。抹殺する』


 正解らしい。


「やっぱりチートスキルの産物かよ! 来い、セシル!」


「はい、ナギさま!」


 通路の陰に隠れてたセシルが飛び出す。


「『汝の妙なる流れを我は喰らう』──行きます! 『堕力だりょくの矢──っ』!」


 セシルの指先から、黒い矢が飛び出す。触れた相手の魔力を奪う魔法の矢だ。


 ガーゴイルはこれで倒せた。ゴーレムには効くか?


『使命において抵触者を抹殺する』


 腕を振り回すゴーレムの胸に『堕力の矢』が命中する。


 けど、ゴーレムの動きは止まらない。まっすぐこっちに向かってくる。


「ごめんなさいナギさま!」


「魔力の容量が大きすぎる?」


「はい。たぶんダンジョンの結界の魔力を吸い取ってるからです。倒すには『堕力の矢』を数十本まとめてぶつけないと……」


 ガーディアンやガーゴイルとは、体内の魔力がけた違いなのか。


「しょうがねぇなあ。めんどくさいけど、普通にぶっこわそう」


「承知しましたナギさま! 『火球ファイアボール』!」


 どぉん


『二重詠唱』してたセシルの火球が、ゴーレムの腰に着弾する。


 ゴーレムの身体が、ぐらり、と傾く。セシルの魔法は、ゴーレムの右股をえぐりとった。氷が砕け、溶けた氷は水蒸気になって宙を舞う。


 それがゴーレムの周りで再度凍結して──ゴーレムの身体が再生した。


『我への重度の攻撃を確認。対象は人間あるいはデミヒューマン。──の計画を妨害するものと認識。殺害と、証拠の隠滅を実行する』


 ゴーレムの周囲に氷の剣が生まれる。数は4。


 こっちに向かって降ってくる。


「発動! 『柔水じゅうすい剣術』!」


 魔剣レギィでそれを受け流す。合間に空振りを混ぜる。2回──4回──8回。


「解放! 『遅延剣術ディレイアーツ』!!」


 お返しだ。


 巨大した魔剣レギィの黒い刃が、ゴーレムの胸に食い込む。断ち割る。


 奴の体内にある赤い人形──魔力の結晶体に──届くか?




 くいっ




 赤い人形が動いた。普通に手足を動かして。


 危険を察知したみたいに、ゴーレムの胸から首に素早く移動した。


「高等すぎるだろ! 人格を持って魔力結晶が自動待避って」


「この世界にこんなの……ありえません。ナギさまの世界なら……?」


「ゲームだっていない。いたらバグキャラだってクレームが来るぞ」


「この世界だってそうです。あるとしたら……『ちぃとすきる』でしょうか」


 まぁ、その辺の分析は後だ。


 ゴーレムの能力はだいたいわかった。


 自己再生。氷の剣飛ばし。それと弱点の移動だ。


「セシル。計画変更だ」


 僕はセシルの耳元にささやいた。


「……『火球』2連続。できる?」


「できます。狙いは?」


「ひとつは胴体に。ひとつは頭に、時間差で」


「わかりました!」


 セシルの詠唱がはじまる。


 僕は通路の方を向いて合図する。


 長期戦は不利だ。これで駄目ならおうちかえろう。


殲滅せんめつする!』


 ゴーレムが叫んだ。そして僕たちの頭上に、15を越える氷の剣。


 奴の首のあたりで、人型の魔力結晶が光ってる。


 魔力の消費量無視で僕たちを皆殺しにするつもりだ。


「今だ! 来い、リタ!」


「りょーーーーかいっ! とぅっ!!」


 通路に控えていたリタが地面を蹴った。


 金色の髪をひるがえし、大広間の天井近くまで飛び上がる。


「リタ! 作戦変更だ! 切り札は胴体にぶちこめ!」


「わかりましたご主人様! でりゃああああああっ!!」


 そしてリタの『神聖力掌握』で強化された拳が、ゴーレムの『氷の剣』を1本残らず打ち砕く。


 ゴーレムが顔を上げる。その隙に──


「ナギさまの使命の邪魔をしないでください! いきます『火球ファイアボール』!!」


 セシルの『火球』 (1発目)が、ゴーレムの胸に着弾した。


 ごぶぁ、と、ゴーレムがのけぞる。


 さらに2発目が頭部に向かう。


 それを察した人型の魔力結晶が、再生をはじめた胴体に移動──


「させないっ!」




 ごがごぉんっ!




『火球』が着弾するより早く、リタの手がゴーレムの胴体にめり込んだ。


 場所はセシルの『火球』が開けた大穴のすぐ上。


 リタはその手を即座に引き抜き、胴体を蹴って離脱。


 ゴーレムから離れて、僕の隣に着地する。


 直後、2発目の『火球』が、ゴーレムの頭を吹き飛ばす。


 人型の魔力結晶は、すでに再生を終えた胴体に移動してる。


 そのスピードはさすがだった。やっぱりチートスキルで作られたのかもしれない。


 信じられない回避速度だった。


 ただ、移動速度が速すぎるのが弱点だった。魔力結晶は急に止まれない。


 ゴーレムのコアになってる結晶体は、




 めにょ




 って、体内に埋め込まれたスライムにめりこんだ。


『な、なんであるか、これは。これは』


『エルダースライムのかけらじゃよ』


 僕の手の中で、魔剣レギィが震えた。


 人型をした魔力の結晶体は、体内にいるスライムに絡めとられて、動けなくなってる。


 さっきリタが奴の体内に突っ込んだ、エルダースライム(子)のおかげだった。


 胴体に一撃を食らわせたとき、リタはスライムをつかんでたんだ。そしてそれをゴーレムの体内に埋め込んだ。『火球』から逃げる人型の結晶体をつかまえるために。


 元々は、やつの関節にスライムを貼り付けて、動きを邪魔しようって作戦だったけど。


 でも、こっちの方がてっとり早い。


「レギィ、エルダースライムの状態は?」


『半ば凍っておるが、魔力の結晶はしっかりつかんでおる。逃がしはせぬよ』


「うん。じゃあ『遅延闘技ディレイアーツ』で吹っ飛ばせるな」


「ナギさまのお手をわずらわせるまでもありません。古代語『炎の矢』でやっつけます」


「ナギとセシルちゃんに剣を向けたのよね? でも私、まだ殴りたりないんだけど?」




「「「じゃあ、早い者勝ちってことで」」」




『ま、待つがいい! なんだこれは。ワガハイの主人と同じ異界の力か!? ま、待って!』


「じゃあお前の主人について根こそぎ話せ」


『それは禁忌情報第7項に──あ、待て、あ、あ、あああああ!!』





 タコ殴りにした。





 ゴーレムと結晶体が壊れたあと、僕たちはふたつのものを見つけた。


 ひとつは銀色をしたなにかの破片。結晶体の中に埋め込まれてたものだ。こいつがゴーレムの意志とスキルの秘密なのかもしれない。回収しておこう。


 もうひとつは、金色の指輪だった。奴隷契約のものとはかたちが違う。


 すごく精巧で、高価たかそうだ。


 裏に文字が彫ってある。『侯爵令嬢エテリナ=ハースブルクへ。永遠の愛をこめて』って。これは広間の隅に落っこちてた。


 このゴーレムを作った奴の遺留品かもしれない。あとでイリスに確認してもらおう。


 侯爵令嬢ってことは貴族か。それとも、この指輪を贈った奴が黒幕か。


 今のところは判断は保留。


 ただし、そいつを排除しないと落ち着いて暮らせないっていうなら、遠慮なくそうするけど。





 中枢に通じる扉は無事だった。


 分厚い鉄製の扉で、中央に海竜を描いたレリーフがある。


 中央には取っ手がついてて、そこにも海竜の彫刻が彫られてる。


 扉は、イリスひとりじゃ動かせそうにないくらい大きい。たぶん、魔法がかかってて、巫女や勇者に反応して開くんだろうな。あのゴーレムでも壊せなかったんだから。


「……巫女か勇者にしか開けられない、か」


 僕は扉に近づいた。扉についてる取っ手をつかんで、軽く力を入れるとーー




 ぎぃ




 ごおおおおおおおおお(冷えた風と振動)




 ばたん




 急いで閉めた。


「海竜の勇者確定か……やだなぁ」


 そもそも、大怪魚レヴィアタンを倒したのはセシルで、僕じゃない。


 主従契約してるから、奴隷の成果は主人のものになるのか。それともパーティメンバーでうろこを手にした者が勇者認定されるのか。


 このあたりのルールも調べる必要がありそうだな。


「セシル。ちょっとドアを開けられるか試してみて」


「……すいませんナギさま、うごけないです……」


 振り返ると、セシルが身体を押さえてうずくまってた。


 ……あれ?


「中枢から出てくる気配プレッシャーが……その、すごくて」


「扉を開けた時の?」


「は、はい。まるで、神様クラスのなにかと向き合ったみたいでした……」


 セシルの肌に、さっきとは比べものにならないくらいの鳥肌が立ってる。


「でも、僕はなんともないけど」


「それはナギさまが勇者だからです」


「レジストしてるってこと?」


「だって勇者ですから」


「ぜんっぜんうれしくないんだけど、『勇者』」


 とりあえず『レヴィアタンの鱗』1枚、セシルに渡してみた。


 変化なし。全部渡しても変化なし。


 僕が鱗を拾った時点で、すでに「勇者」認定されてるみたいだ。


「リタは……?」


「……やだ……こわい……神様こわいよ……」


 頭をかかえて震えてた。


 うつぶせで。耳も尻尾も、へにゃん、と寝かせて。


 リタはプレッシャーをそのまま喰らったみたいだ。


「はいはい。大丈夫だから」


 背中を、ぽんぽん、って叩くと、リタはぎゅって抱きついてくる。


「こわいよー。おっきななにかがくる……ナギぃ、ごしゅじんさまぁ。やだ。ひとりにしないで。こわい……」


「大丈夫だってば。僕もセシルもいるから」


「うー……わぅ。うぅぅぅぅ」


 しばらくリタの背中をさすりつづけて、結局、落ち着くまでに10分くらいかかった。


 でも、リタは腰が抜けて歩けなくなってたから、僕が背負うことになった。


「セシルは平気なの?」


「だ、だいじょぶです。ナギさまに触れてると……不思議に落ち着きます」


 セシルは片手でリタのお尻を支えて、片手で僕の袖を握ってた。


 僕は勇者認定されてるからプレッシャーをレジスト。


 セシルは動ける。リタは動けない。この違いはなんなんだろう。


「ごしゅじんさま……どこにもいかない? 私をひとりにしない?」


「しないってば」


「どこにもいかない? ゆうしゃになんかならない?」


「そんなめんどくさい仕事はしません」


「うぅー」


 首筋をくんくんしながら、身体を押しつけてくるリタ。


「だいじょうぶですよー。わたしもナギさまも、ずっと一緒ですよー」


「セシルちゃん……ごしゅじんさま……ぁ」


 リタは、ぎゅ、と、僕を抱きしめた。


 ……海竜のダンジョンの中枢か。


 僕たちが入ることはないと思うけど……対策はしておいた方がいいかな。




 それから僕たちは来た道を逆にたどって。


 リタは地下一階あたりで正気に戻って、でもまだちょっとふらついてたから、僕の背中に乗ったまま。


 セシルは心配そうな顔で、僕の袖をしっかりと握りしめて。




 そんな感じで、僕たちは海竜のダンジョンを脱出したのだった。

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