第2話 さびしい気持ち

 風邪をひいてしまった。急性喉頭炎といわれた。37度2分という中途半端に温まった頭をもたげながら帰路につく。


 病院でもらった5、6種類の薬を机に広げる。なにもする気が起きない。


 うまれてはじめて鼻から内視鏡を通し、のどの奥までつっこまれたのだ。つかれた。そのあとは煙のような薬剤を吸入した。酸素マスクのようなものをはめ、のどへ薬を散布する。つぎに、鼻先に2本の試験管のようなものをあてがい、薬を吸入する。これはさほど疲れるものではなかったが、地味に拘束時間が長かった。心を無にしてひたすら吸うのだ。


 机に広げた薬はそのままに、スマホの画面を見る。やはり、返信はないようだ。


 おとといまで全身の筋肉痛がひどかったが、今日は首だけが凝っている。つかれた。なんだかむなしくなってくる。

 かつてなら、返信はもっと速かったし、既読がつくタイミングも俺と変わらなかった。それなのに、いまではほぼ1日経ってようやく返信がくるペースだ。俺はどこで間違えてしまったのだろうか。あの人との関係を、どうして崩してしまったのか。理由は、なんとなく分かっているのだけど。 

 

 机に広げた薬を袋の中に入れ、枕元に置いた。スマホが鳴った。ネットニュースだった。

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