青の朗読会
クララ
No.1 白い世界の果てであなたに出会う
白い霧が庭を満たした朝、
それは先の見えない人生にも似ていると思った。
未来のことなど誰にもわかりはしない。
誰もが不透明な道をただ進むだけ。
そこでは足元だけが自分の世界。
でも、それは決して悪くない。
そこには、霧の朝に白のベールを割って現れる、
開いたばかりの花色に心震わせるような、
そんな驚きや喜びが散りばめられているから。
そして何よりも、白の向こうにある輝き。
それは、私にとってどんなに遠く小さくても、
たどり着きたいと思わずにはいられない未来の光。
それは、あなたが見据えるはるか彼方の無数のきらめきの中に、
私というものが小さな片鱗でも存在する喜び。
たとえ日々、深い霧に包まれていても、
諦めず揺らめきの向こうに目を凝らし、
おぼろげなその光を目指して歩いていこう。
いつの日か、この白い幻想の世界を泳ぎきり、
私を見つけてくれたあなたと出会うために。
そして、
数えきれないほどの驚きと喜びをたずさえて、
抱きとめてくれるその胸に飛び込もう。
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