もう、いい加減にしてー!!2

 もちろん、『答え』は合っていた。

 けど、そんなことよりもね?いや、そんなことって問題の話じゃないんだけども·········。

 て、そんなことは今どうでもよくて·········。というか、気にするほど重要じゃなくて···········。


 そ•れ•よ•り•もー!


 あの、『“メイド”』じゃなかった、えっと、ろのあ、ロノア!をどうするかの方が大事なんだよ!

 もちろん、こんなことを考えてるのは、授業中であることは変わらないため、さっきのような失態をしないために『こまめに確認』しながら考えてるんだけど、まあ、今は関係ないんだけどね?


 ちなみに、私の隣にはもちろんロノアがいる。

 つまり、さっきどこか教えてくれのは、もちろんロノアである。

 なんで隣!?と思ったけど、まあ、もういちいち突っ込んでられないからね!そこは、ほら、もう諦めた········。

 私の学校生活が大変なことになっていってるのとは関係なく、授業は変わらずに進んでいった。



「その、ロノア。『忠誠を誓う』ってことの決まり?について教えてほしいんだけど··········」


 私はロノアにそう質問していた。

 あっ!もちろん、授業は一旦終わって、つぎの授業までにある『休み時間』の間を使って聞いてるからね!

 いや、わかってるとは思うんだけど········。


 ていうか、誰に言い訳してるの?私!?

 ああ、自分か········。

 てか、自分に言い訳してる時間がもったいなーい!

 そんなことを私は一人で勝手に思ってると、


「そうですわね、特に『決められているわけではありません』から、個人で考える『忠誠を誓う』ということをすることになっています、マオ様」


「いや、そんなかしこまらなくていいんだけど·········。てか、それなら私がやらなくていいっていったことはしなくていいよー!」


「それはできません。決めるのは、負けた方ですので」


「だったら、だったら一つだけでもお願い!お願いだからさ、その、敬語使うのをやめて!ね?それぐらい、それぐらいならいいでしょ?」


「う、それでは、いえ、どうしてもと言うのでしたらわかりましたの。『いつも通り』に話しますわ」


 そうして、話が終わるとともに休み時間も終わり、その終わりを告げるチャイムが鳴った。



 私は今、逃げていた。


「マオ様、いえ、マオ、でもないですの···········マオちゃん?どう呼んだらいいですの?」


 かわいい声でそんなことを聞いてくる。

 いや、今どんな状況なのかわかってないよね?ううん、絶対にわかってない!!

 いや、だってね?今、逃げてるんだよ?今、逃げてるんだよ?これがさ、どういうことかわかる?

 そんなことを聞いてる暇がないのはわかるでしょ!!

 なんでよ!なんでそのタイミングで聞いてくるのー!

 いや、まあね。別に、いいんだけどね!!

 私は自分の心の中で言い争いながらロノアの方を見ると、


「…?......?」


 『どうしましたの?』みたいな表情をしながら、こてんと首を傾けるなんてかわいいことをしていた。

 私は、そのあまりのかわいさに今すぐにでも抱きしめたくなる衝動を抑えながら、私はなんとか走り続ける。


「あっ、別になんでもいいよ?好きなように呼んで?ただ、『様』付けるのはやめて?」


「わかりましたわ。それじゃ、今後は『マオちゃん』と呼びますの。これからも、よろしくですわ」


 と、今度は腕を差出してきて、握手の態勢に入る。

 もちろん走り続けながら。

 てか、このタイミングかよ!!

と、私は心の中で思いながら、結局握手した。


 て、握手とかしてる場合じゃないんたよ~!!

 そもそも、なんでこんな状況なのに握手しちゃったんだろう‥‥‥‥‥‥。

 

 と☆り☆あ☆え☆ず!


 逃げなきゃいけないのー!

 そもそも、なんで逃げてるのか?ということなんだけど‥‥‥‥‥‥。

 私が(魔王が)、あの勝負に勝ったということは、すぐに学校中に知れ渡ってしまい、しかも、その方法が見てた誰にも『わからなかった』ということで、『ぜひ、戦ってみた~い!』とかいう奴らがたくさんいるせいで、今、追われてるのであった。


 もちろん、私一人であったら普通に逃げられるとは思うんだけど、ロノアがいるからそのペースに合わせている。

 別に、ロノアのことが心配だとかそういうことは思ってないからね!本当に!

 実際、そこそこ強いとは思うから‥‥‥‥‥‥。

 と、そんなことを考えながらだったせいか、気づいたときにはもう、追っては‥‥‥‥‥‥‥いた。


 結局、ほとんど全員とは戦わなかったけど、精神的にかなりくるものがあった。

 それが、もう四日も続いた。

 そして、四日目が終わるそのときには、


「もう、いい加減にしてー!!」


と、そう叫んでしまっていた。

 というか、それが自然なようなことさえ思えてくるぐらいには、もう、ボロボロだった。

 本当に、どうしてこうなっちゃったのー!

 てか、これも『インクプス』のせいなんだからね!!

と、どうせ聞こえないことを思いながら今日も終えるのだった。

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