私、『魔王』じゃないって言ってるでしょ!(諦めて城に戻って)

私は、結局城に戻ってきた。

というか、道行く魔人に会うたびに、


「魔王様!」


「魔王様、どうされたのですか?」


「魔王様、どちらへ?」


などと聞かれる始末。

私は、『魔王』じゃないんだよ!!

て、言ってももう無理!私でも、さすがにもう無理!!

というか、そもそも『魔王』なんかに転生すると思わないでしょ!!

 だって、が『魔王』だとは思わないよ!!てか、『勇者』とかでもいいじゃん。

 まあ、『勇者』なら『イケメン』って決まってるんだけど、、、

 とにかく、もう降参だよ!!諦めるよ!!もう、外に行くんじゃなかった!!町に行くんじゃなかった!!

 こうして、自動的に『証明』されたのと同じような状態で、私は完全に諦めました。


「あれ、魔王様?どうして戻ってこられたのですか?でも、よかったです。もう、かもと思っていましたので。魔王様、もう諦めたんですね?」


そんな、『インキュバス』の声に、私は無言でうなずいた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る