【並行世界の侵略者】ネガ・ボア
ビト
魔法惑星マギア
魔法惑星マギア
『概要』
どことも異なる次元の宇宙に浮かぶ星。その歴史は666億年に及び、数えきれないほどの文明が誕生・滅亡を繰り返してきた。100億年ほど前からは、ヘテロネガ全権政府が惑星全土を掌握し、戦争のないユートピアが実現している。
文明の極北に至った惑星が直面している問題は、エネルギー問題。
既に惑星マギアのエネルギーは枯渇し、周囲の惑星、果てには宇宙そのものからエネルギーを吸い上げて熱エネルギーを確保してきた。物質をエネルギーに変換するテクノロジーを多用してきた結果、この宇宙には惑星マギア以外には塵一つ存在しない。
宇宙自体も縮小していることが観察され、ヘテロネガ全権政府はエネルギー獲得のために別の宇宙への侵攻を決定する。
目下問題となっていたのは次元を渡る手段だったが、時同じくして次元パズルが起動。惑星マギアが入手したたった一つの次元パズルを希望に、ジャミロ・ウラノスとの協定を結ぶ。
エネルギー問題の解決と引き換えに、戦力を提供する形で。
『大きさ』
地球と同じくらい。
ちなみに地理や気候も地球とほぼ同じ。人間が文明を獲得・維持するのに、これ以上の条件はない。
『人口』
100億人。
この数を基準にエネルギー供給の計算を行なっているため、この数に合わせて住民の生殖・破棄を行なっている。だから、この数から変動しない。
『暮らし』
きゃっきゃうふふなお花畑が広がる天国。苦しみも飢えも苦痛もない完璧な世界。住民たちは思う通りの人生を思う通りに謳歌する。満たされた心は他者への敵意を持つことなく、平和と慈しみの情念で満ちている。たまに落ち込むようなこともあるが、事故も犯罪も戦争も、悲劇は一切存在しない世界。
そんな、魔法のような世界。
なんてものはもちろんなく。
100億人の住人は全員がチューブに繋がれており、仮想世界で幸福を供給されているだけである。ほとんどマトリックスの世界。だが、こうするしか惑星を存続する手段がなかった。
仮想世界の管理は正確無比な人工知能が行なっている。
住民は仮想世界から流入してくる脳内麻薬に犯されており、それによって感情の機微を獲得している。ヘテロネガ全権政府は感情の落差を由来とする位置エネルギーを取得するテクノロジーを開発していて、住民の感情エネルギーで辛うじてエネルギー問題を引き延ばしている。
オチはヘテロネガ全権政府も全員人工知能だということ。
特に機械の叛乱が企てられているわけでもないが、この天獄を打破しないと、惑星の人類は滅ぶだけだ。破滅は秒読みである。
『戦力』
全権政府ヘテロネガがジャミロ・ウラノスに提供したのは、人工知能ヘテロαアルファが率いる人造生命体。彼女たちは感情エネルギーを魔法という形で活用することが出来る。
魔法少女と呼称される彼女たちの武器は三つ。
自在に召喚する固有武器。
心臓を破壊しない限り死滅しない強靭な肉体。
また、それぞれに疑似人格を植え付けて魔力運用の効率を引き上げている。脳内麻薬を最大限に活用し、それぞれがなんらかの感情に特化している。戦争という概念から離れて久しい惑星マギアにとっては、これが用意できる最大限の戦力である。
『次元パズル』
人口知能ヘテロαが所持・活用する聖骸、アリス。
桃色の紙の少女の聖骸は、かつてこの惑星の文明を統一した女神の死体とされている。長い間信仰の対象となったソレは、概念固定保存の末に次元パズルの一画としての力を持つに至った。
αはこれを活用して他次元の次元パズルの奪取を図っている。
その一部が封印されしボアに移っていたことに気付いたものはいない。
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