人類が最後を迎える時に

@mikiyama

第1話 神田 武

夕焼け、オレンジ色、茜色…


太陽、光、熱、エネルギー


当たり前の日常はそれをきっかけに


終わりを告げようとしていた。



2022年3月


雨が最近凄い。


あと気温。まだ3月だというのに

6月の梅雨時期のような蒸し暑さ。


そして、止まない雨。


テレビでは異常気象のことを毎日訴えている。


専門家の話を頷きながら聞くキャスターは、本当にわかっているのだろうか。


危機だということを本当に伝えたいのだろうか。


どちらにせよ、僕には関係のないことだ。


平凡な専門学生の僕には。


「あぢーなぁ。もうどこの店にも半袖ばっか置いてあるよな。早すぎだっつの。春服着たかったけど長袖はこりゃ無理だわ!な、武!」



長い付き合いの、歩。


歩は、持参扇風機を顔に当てながら

少しイラついたように話す。


それは、いつものことで慣れている。


「確かに暑いな。地球滅亡説だったりして。」


僕はちょっとふざけながら言った。


歩は、それな!と笑った。

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