神崎ひなたの受難 〜藤原×神崎SS〜

藤原埼玉

クラスの陰キャ女子がガチ百合だった

 控えめかつ柔らかな双丘が押し当てられ、もぞもぞと体操着の中をまさぐられる感触が…


 ちょっと待て、この書き出しはおかしい。


 だってこれは決して官〇小説ではなく私は女子高生だし、舞台は女子高だし、主観的には代わり映えのしない日々でも客観的に見ればそれなりに付加価値の高い(らしい)アオハルな日々を送っていて、そんな某小説サイトでBANされて某ムーン〇イト〇ベルとかにどーん!とコピペ転載されるべき日々なんてもの、闖入する余地などなかったはずだ。


 私は慌てて服を元に戻そうと引っ張る。


「…あの、ちょ、待っ、ちょっと待って!!??」


「か、神崎さんが悪いんだよ…わ、私を誘うから…」


 藤原さんははあはあと息を乱しながら私の体操服の中に入れた両手をもぞもぞと動かした。


「さ、誘ってないんだけども!!!!????」


 藤原さんは興奮で手許が怪しいせいか、ブラのホックの扱いに戸惑っているようだ。


 数十秒も続く押し合い引き合い。それでも私は辛くも自身の貞操を守ることに成功していた。


 すると藤原さんの両腕の動きが止まる。見上げると藤原さんの泣きそうな顔が眼前にあった。そんな目で見つめられて、私の心臓が跳ねそうになる。


「……神崎さん……私のこと……嫌い?」


「……え……や、別に……嫌い……ではないけど……」


 …断じて恋愛的な意味で好きでもないが。


 それは決して私が薄情だからなどでは断じてない。


 だって私達、女同士だろ!!!???


 明らかに距離感おかしいだろ!!


 だが、藤原さんはそんな私の込み入った内心と裏腹にぱあっと嬉しそうな顔をする。


「じゃあ…」


 またも、ぐいぐいと藤原さんの手が私のブラを外そうと始動する。


 一体どこからこんな力が出てくるんだ!


「ちょ、やめ………と、とにかく待てー!!!」

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