第24話

第二十四回

「仕方ないだろう、記念品が欲しかったんだよ」

「右に同意」

「これ、一生の宝物だからね」

「右に同意」

ルー大柴の手には刺繍の入ったチェ・ジュウのパンティが握られていた。

別所哲也の手には同じように刺繍の入ったチェ・ジュウの黒いブラジャーが。

「チェ・ジュウ、気がつかないか」

「大丈夫、大丈夫、下着類、だいぶ持って来ていたみたいだから」

「それにしても、中学生のくせに大人ぽい、下着をしているな」

「右に同意」

仲村トオルもその事実よりも下着の意外さに驚いていた。

「隠せ、隠せ」

別所哲也が声を立てた。三人はあわてて、ポケットの中に下着をしまった。

「おーい、元気か」

向こうの方から倖田來未がやってくる。その横にはKK子がいた。

「道の真ん中で何、話してんのよ。また、くだらないことだと思うけどね。用事は終わったの。今日、下駄箱で話していたじゃない」

「終わった、終わった」

ルー大柴がにたにたして答えたがその表情はどこか、ぎこちなかった。

「何か、ポケットが膨らんでいるみたいだけど」

「何でも、ないよ」

「それより、ふたりともどうしたの、こんな時間にこんなところを歩いていて」

別所哲也が照れ笑いをしながら答えた。

「下着を買いに行ったところなのよ。ちょっと大人ぽい、下着を買おうと思ってね。ふたりとも、うんと大人ぽい、セクシーなの買っちゃったんだよ、三人にも見せてあげたいわ」

KK子が少し、照れた表情をして、仲村トオルの方を見上げた。

仲村トオルは心苦しかったというより、何で、ふたりが下着どろぼうのような真似をしたときに、KK子と倖田來未のふたりが下着を買いに行ったのに出会ったのだろうかと思った。

この不思議な一致をどう思っているのだろうかと、ルー大柴と別所哲也のふたりを見たが、ふたりは何も感じていないようだった。

「女子中学生が下着の話しをしちゃ、だめだと、父ちゃんが言っていたぞ」

「ニダニダ」

その声をする方を見るとヨン様とおかねどんぐりくんがふたり並んで、五人の方を見ている。

「お前達、友達だったのか」

「そんなことはどうでもいい」

「ニダニダ」

ヨン様とおかねどんぐりくんは声を合わせた。

本当に不気味なグループの中にこのおかねどんぐりくんを入れておくのを忘れていたと仲村トオルは思った。

確かに、このおかねどんぐりくんもヨン様や上戸彩の弟と同じにおいがすると思った。

「女が自分から下着の話しをするのは男を誘っている前兆だと、父ちゃんが言っていたぞ」

「ニダ、ニダ」

ヨン様も同意した。

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怪力中学生 @tunetika

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