孤独
白美人
前編
「おとうちゃん」
私は、幼少期の時、家族を亡くした。私はその時は風邪にかかっており、叔母の家に預けられ、大阪へと向かった家族を泣きながら見送った。
数日後。私は、家族が交通事故で亡くなったのをテレビで知った。
その時、私は泣きわめき、叔母を困惑させた。
大好きだった家族と会えなくなった事実に、大量の涙を流した。
その日の夜に夜泣きをし、従姉が私を寝かしつけた。
葬式で、私は涙をずっと流し、火葬の時も、「おとうちゃん、おかあちゃん、なんで」などと言っていた。
その後、私は叔母を初めとした親族の家に預けられ、心の傷が治らないまま育った。
あの日私が止めたら、お父さんたちは死ぬ事がなかったのかな。
ずっとそう思って、いつか叔母さん達も死ぬのかなと、死への恐怖感と不安感に襲われ、心が安定しなくなっていた。
そして、そのことは事実となっていた。
数年後。小3の頃、叔母が病気で亡くなった。
原因は乳がんで、叔母が気付いた時にはステージ4になっていた。
お医者さんたちが叔母を治療したが、治療のかいなく亡くなった。
私は、家族が亡くなった時、いや、それ以上に苦しみを味わった。
乳がんが発覚した時、叔母は亡くなるかも知れない。そう覚悟していたはずだった、でも、それでも涙が止まらなかった。
帰り道。私は、従姉に抱っこされながら道を歩いていた。
もうこれ以上誰も死んで欲しくないと強く思った。
葬式が終わったあと。今度は伯母に預けられた。
その伯母も亡くなり、今度は叔父、その次は伯父…
預けられては亡くなり、従姉以外の親族が亡くなってしまった。
従兄が亡くなった後。従姉は、付き合っていた彼氏と結婚した。
従姉が結婚してた時、私は小6だった。
8歳年が離れている従姉は、私を妹の様に愛してくれた。
従姉は美しく、私の父にどこか似ていた。
私の家族が亡くなった時、従姉も自分の弟が亡くなって悲しかったはずなのに、私の前では泣くことは無かった。
自身の母である叔母が亡くなっても、だ。
小5の時。私は、従姉に、「なんでパパ達が亡くなった時に泣かなかったの?」と問いかけた。
従姉は、[由紀ちゃんにみっともない姿を見せたくなかったからだよ。私が泣いてたら、由紀ちゃんも困るでしょ?]と笑顔で言った。
私は、「そんな事ないよ。私の前で泣いてよかったのに。」と言って、従姉を抱きしめた。
「麻希従姉ちゃん、私の前で泣いてもいいよ。」と私は言い、従姉は泣いた。
私ももらい泣きし、2人で1時間も泣いた。
+++
翌日。従姉の夫が私の所に来た。
【由紀ちゃんと言うの?初めまして。僕の名前は学と言います。】
「私の名前は由紀です。」
互いに自己紹介をした。
私は義理の従兄が出来たことに不思議な感覚を覚え、ずっと私に愛情を注いできた従姉が、従兄の事も愛するのかと思うと、従兄に嫉妬を覚えた。
数時間後、夕飯を食べた。
私は従兄に話しかけても無視をし、ご飯を黙々と食べ続けた。
従姉が、[由紀ちゃん。無視しちゃダメだよ。ちゃんと学くんと話して。]
「嫌だよ。麻希従姉ちゃんはずっと私だけの者だと思ってたのに。学さんなんて大嫌い!」
[そんなこと言っちゃダメでしょ!なんでそんなこと言うの!]
「だって私は麻希従姉ちゃんの事が好きだったのに!」
[もう由紀ちゃんの事なんて知らない!]
【麻希、そんなこと言っちゃダメだろ!】
[なんでよ!由紀ちゃんは学くんに酷い態度をしたでしょ!]
【だからって怒っちゃダメだろ!今ご飯を食べてるんだぞ!】
私のせいで、2人が喧嘩してしまった。
涙でしょっぱくなったご飯をなんとか食べ、2階に逃げるように上がった。
私は冷静になった後、「ごめんなさい!私のせいで、ごめんなさい!」と2人に謝った。
私は涙を大量に流し、自分のせいで2人が喧嘩したことに対する罪悪感と自己嫌悪感を感じ、何回もごめんなさいと謝った。
2人は、大丈夫だよと言った。
そして、私は2階に行き、涙を流しながら眠った。
+++
数ヶ月後。私は、卒業式に出た。来月から中学生だ。
中学生になりたくなかったな
私はそう思った。
数時間後。卒業式が終わった。
私は、2人と帰った。
孤独 白美人 @moeka_13_h
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