第27話 絶対にだめ〜!

「い、いや…… 誰? てかその格好は……」


年頃の男子の視線がいかにも集まるような水着を着ている。こ、こいつ…… かなりのやり手だな。


「どうも。亜美の友達で中谷優香って言います。君が勇太って人かな?」


「そ、そうですけど……」


「ふ〜ん……」


なんかやたらと俺を見てくる。いやぁ…… しかし。どうしても俺の視線が自然に胸に……


「ちょ、ちょっと優香⁉︎ 何じろじろ勇太のこと見てんのよ!」


「え? いやぁ…… ちょっとね……」


「か、神野? ちょっと友達にもあたり強すぎねえか?」


「ふん💢 あなたは黙ってて!」


「…………」


八つ当たり。これは完全な八つ当たりだろ。


「ふふふ。君は優しいんだね? こりゃあ亜美が惚れちゃうわけだ」


「へ?」


「ちょ、ちょっと優香⁉︎」


神野が俺に惚れてるってそんなまさか…… ないだろう。あれだけ罵倒されてるんだぜ?


「ほんとよ? 亜美ったらいつも君の話を……」


「そ、そうなのか?」


「ち、ちが…… こ、これは…… ちょ、ちょっと優香黙って!」


(もう! 優香ったら余計なことを…… 恥ずかしいじゃない! 実は勇太のことが大好き❤だなんて)


神野が見るからに顔を赤くして焦っている。


「この前だって亜美ったら寝言で……」


「スト〜ップ! だめ〜!」


神野が優香を連れて走っていってしまった。


「はぁ〜 なんなんだ? それにしても神野が俺に惚れてるって………」


◾️◆◇


「もう優香💢? 絶対だめ💢!」


「いいじゃない。ほんとのことなんだから……」


「いいわけないでしょ💢? なの! わかった💢?」


「はいはい。ごめんね🙏 この通り!」


「もう〜! ほんとに優香ったら……」


引っ張ってきてよかった。あのまま変なこと言われてたら…… はぁ〜 勇太に変に思われてないかなぁ。


「亜美は素直じゃないわねぇ。よし! わかった!」


「え? 何が?」


優香がこう言うときは嫌な予感が………


「亜美と勇太くん。イチャイチャ❤️作戦よ〜!」


「はぁ〜 そんな〜」










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