第9話 花魁道中

令和2年1月26日 日曜日 19時30分



ゆっくりと、まるで時間が止まった様な、

タイムスリップした様な感覚が私を包みます。


メロンちゃんの号令が響き、花やしきの奥へと案内された私達は、

通路に沿って一列に並び、期待に胸膨らませその時を待っていました。




やがて鈴の音が響き、先刻まで私達がいたエリアから、暗闇を照らすかの様に、艶やかな一行がその姿を現しました。


のらねこさんを先頭に、ゆっくりと。


まるで時間が止まった様な感覚で。

歩いてくる一行が、

江戸時代後期から現れて、

明治

大正

昭和

平成

そして令和へ。


時代を渡り、

タイムスリップしてきた様な、不思議な感覚を味わっていました。


とりあえず、スマホを構える事を止め、

私はただ、目の前を通る一行を眺めていました。


もちろん、何枚かは撮影したのですが、

写真で残す事よりも、

気持ちと共に心に刻みたかったのかも知れません。


ツナマヨさんは満面の笑顔で、最高に綺麗で、

その顔にはやり遂げた満足感が現れている様な気がしました。


道中を飾る他の参加者の方々も、皆さん御綺麗でした。


列の先頭はのらねこさん、最後尾はメロンちゃん。

時間を渡って来た一行の旅は、終焉を迎えました。



終着点のメリーゴーランド前では、一行の撮影会が開催されました。

思い思い写真を撮り合い、挨拶をし、会話を交わす。


参加者それぞれが、旅の終わりを感じていたのかも知れません。


その後、一行は池の上に掛けられた橋に移動し、

撮影を。


実は、このイベントには正規の撮影隊が入っており、映像を記録として残していました。


橋での撮影もその一環で、イベント参加者はお邪魔しない様に、

空いてるところから撮影させていただいた感じです。


この記録が、いつか皆さんの目に触れると良いな、と思っています。




諸々の撮影が終了した後、花魁道中の最後は私達参加者を列に加え、

復路をゆっくりと帰りました。


一抹の寂しさと共に。


長かった様で短かった花魁道中。


そのフィナーレを飾る、花魁ツナマヨさんの挨拶が始まりました。



「あまりにあっという間すぎて、さっき始まったばかりなのに?

って思っています・・・・だけど、終わります」

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