第73話 生産職クラス設置

まだ時間が早いのでこの街の奴隷商店に人材を探しに行くことにした。奴隷商に職人が居ないかと聞くと何人か連れてきてくれた。一人目は、ひげを生やした小柄なおっさんだが筋肉ダルマのような体格だった。ドワーフという種族で、鍛冶職人だそうだ。名前はモーガン、28歳。見た目よりも若くて驚いた。うちの学校の鍛冶の講師になってもらいたいと話した。条件として授業以外のときは好きなものを作って良い、材料はこちら持ちで作ったものは売って自分の稼ぎにして良いということにした。奴隷なのにこんなに待遇が良くていいのかと不思議そうにしていた。もちろん、ちゃんと生徒を育てることが条件なのでそれさえ守ってくれれば問題ない。他に洋服の仕立て屋や商人、大工、床屋、アクセサリー加工、防具加工の職人も居たので同様の条件で契約を交わした。いつものように子供の奴隷と欠損、ケガのある子供の奴隷をすべて買い取り、職人とともに学校に転移した。

 子供たちはキャサリンに任せ、職人たちは従業員用の社宅に入ってもらうことにした。社宅にも温泉を設置した。また職人たち用に防音処置を施した建屋を作った。

学校の方にも生産職用のクラスを設置した。マーガレット、シオン、マリアンを我が家に呼び説明を行った。なぜかそこにジャスミンが普通に参加していた。王城の方は大丈夫なのだろうか。それより、いまだに王様には顔を見せていないという。王様が可哀想だ。ジャスミンも自国に同じような学校を作ろうと考えているそうだ。相談には乗ってあげようと思う。

 あとほしいのは、酒造職人と魔道具加工職人だ。ゴールド、シルバーの両王都の奴隷商に探しておくように依頼してある。


鍛冶職人のモーガンにアイテムボックスを付与し、俺のインベントリに溜まったドラゴンや竜、その他多数の魔物の素材とメルモから渡されたダンジョンで増産された鉱石を渡した。モーガンは素材の量と質に驚き顔を引きつらせていた。その後、窯のある建屋に案内し、不足しているものがあれば言うように伝えた。モーガンは何かに取りつかれたように素材を吟味しだした。職人の血が騒ぎだしたようだ。他の職人が使う道具も作ってあげてくれと頼んだ。他の職人たちにもそれぞれの建屋に案内し、必要なスキルがある場合には付与した。生徒が来るまでは自由にしていていいと伝えた。


段々と敷地が手狭になってきた。俺には空間魔法があるので建屋が小さくても中を広げてなんとかしているが、そろそろ街を出て自分の町を開拓することも検討しなければならないかなと考えている。今度、王様に相談してみようと思っている。ゴールド王国の旅が終わってからの話だが。


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