第2話 星屑学園

俺が所属している、私立星屑学園。

この学園こそが、俺の友達作り最大のハードルだと思っている。

勿論、自分にだって非はあった。小学生のときのことは十分反省も後悔もしている。だが、今の問題はやはりここ、星屑学園だ。

中高一貫校であり、寮もある。それでもなお無駄なくらいに広い、多分コンクリート製の校舎だってある。

これだけを見れば「お金持ち」「私立らしい」の言葉で終わりだろう。だが、この学園には大きな問題がある。


俺以外の生徒が、全員中二病なのだ。


校舎の色は学校にあるまじき黒基調。

寮内の貼り出し、日常会話、校内放送、果ては朝礼なんかも、全てがファンタジーじみた大袈裟な言葉遣い。

これら全て、生徒たちは恥じるどころか、誇りにすら思っているようだ。

こんなだから、周りからの印象も大方良くない。人呼んで「中二病学園」。

黒歴史として、後に思い出したら辛いものとして記憶に残るだろう。

第一、そんな人たちを集めて授業になるのか。まともな人間形成ができるのか。


中二病の彼らにとって、これらは全て問題にならない。

なぜなら、自分の妄想の世界では、全てが都合よく見えるから。


…無論、それらがただの妄想で済んでくれるのなら、俺としても助かったんだけど。

現実は残酷だ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る