第43回「闇に光る樹」 (2021年1月31日放送)
●幼少~青年期かけて、弟と何かと比較され、辛い思いをしてきた信長たん。
でも、自分がナンバーワンになったら、同じように家臣を比較して、よりにもよって衆目の面前で恥をかかせちゃうぞ。
あかん、あかんでぇ。
●曲直瀬道三(まなべどうさん)は、実在の人物。
日本の医学史を学べば、必ず名前が出てくる位スゴイ御仁だ!
なお、斎藤さんちの道三とはたぶん、関係ない。
●本能寺の変では、親しかった光秀に与せず、中立を保ったことで有名な細川藤孝。
ただ、最近の研究では、秀吉ともかなり前から盛んに交流していたことが、明らかになりつつあるそうな。
最新の研究を反映させた結果が、あのシーンだと思われ。
細川藤孝という人物は、ただ光秀との友情を捨てたのではなく。
柴田勝家と秀吉のどっちにつくかで板挟みになった、前田利家に近しい心情だったのかもしれない。
●何かの病気かと思ったら、『夕方老眼』という症状があるんだね。
【ひょっとして 老い】
●組織のトップとして信長が1番ダメなのは、自分のウォンツを一方的に押しつけるところだね。
人を指導したり、正しい方向に導くには、ウォンツではなくニードに落とし込まなければいけないといわれている。
この場合のウォンツとニードとは、
ウォンツ:個人の願望、周りに対する要求
ニード:その場にいる人全員のウォンツや、環境を踏まえて導いた方針、必要性
を、指す。
現代における企業もそうだけど、経営者のウォンツを達成するために、社員は手足となって汗水を垂らすことになる。
報酬をもらって雇用されているのだから、それはある程度仕方ないし健全な組織の要素でもあるんだけど。
行き過ぎると、現場の声が経営陣に届かなくる。
パワハラ、モラハラ、社員の意欲低下、退職者の増加や、メンタル疾患に繋がる。
なお、この場合のウォンツは、【理念】とか【経営哲学】とか【社是】とかも含んでいるよ。
●例えば、
『こんど生まれて来る我が子には、とにかく丈夫に育ってほしい。
できたら、俺の趣味であるアウトドアに一緒に行ける子供になってほしい』
と願うお父さんがいたとする。これはウォンツ。
でも、生まれてきた子供が、
1:健康で、活発でアウトドアに向いた性格
2:健康だけど、インドアの傾向が強い
3:病弱である
1~3のどのタイプの子が生まれてきたかで、お父さんがなすべきこと――ニーズが決まる。
1だったら、お父さんの希望通り、ゆるキャンにいくらでも誘えばいいけど。
3だったら、まずは病状を安定させるのが先決だ。
そして、組織には、1~3の人材が混在している。
なのに本作の信長のように、組織のニーズや家臣のウォンツを聞かず、経営者がワンパターンに自分のウォンツばかりを押しつけたら…。
はい、人はそれを、ワンマン社長といいます。
にわかに、しくじり社長として名前に挙がる、アレとかアレとかは、ひょっとしてこのパターンじゃないかなぁ。
●もっとも、光秀も細川藤孝も、足利義輝・義昭に『理想の武士の棟梁像』を押しつけていたので、因果応報ともいえる。
特に、お坊さん出身の義昭に『理想の武士』を強要するのは、やっぱりウォンツの押しつけだし。
無茶やろ。出自が武士じゃない義昭ならではの良さがあったはずなのに、才能やその可能性の芽をつぶしていた感がある。
●信長「私を差し置いて、あんなに親しくするなんて!
家康も、光秀も、許せないっ!
邪魔してやるんだから!」
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