街中で婚約破棄したら周りの注目の的となり、まずい事になる~気にしない私は婚約破棄する~

一ノ瀬 彩音

第1話 婚約破棄してあげるわねっ!!

私事、詩月綾香シヅキアヤカは御曹司である

三雲斎賀ミクモサイガと婚約しているのでございます。


婚約するという事はお互いに大好きで愛しているからなんですけど、

もちろん斎賀は素敵な男性です。


しかし、素敵な男性だからこそ、他の女性とお付き合いしないかが

心配でなりません。


心配しててもいけないのですけど、それでも心配になるのは当然です。


そこで私は今、斎賀とデートしているのですが、斎賀が服選びをしている

時、私がこっちの方がいいよと言いますと斎賀はこっちのがいいだろうと

白熱している。


でも、白熱しすぎてしまって喧嘩になるのです。


喧嘩になると斎賀が私に向かってあっちにいってろ、邪魔だと言ってきます。


その言葉を聞いて私はショックを受けるのですけど、本当に些細な事で

喧嘩しているなと思います。


斎賀が服選びを終わるとお店から出てきて私の元へ来るとこう言ってくるのです。


「綾香、本当に何してんだよ」


「なんでそんな風に言うの」


「うるさいな、使えない女だな」


「使えないってどういう事よ」


「邪魔しか出来ない女はさっさと帰れ」


確かに斎賀が服選びしている時、私が茶々を入れなければ些細な事で

喧嘩もしてないと思います。


だからといって酷い言い方をしなくてもいいかなと思います。


斎賀はさっさと歩いて何処かに行こうとしているのですが、

私もすぐに後を追いかけるのです。


「待ちなさいよ、斎賀」


斎賀は立ち止まるとこちらに戻ってきて声をかけるのです。


「何だよ、綾香」


「言いたい事があるんだけど」


「早く言えよ」


「もうね、斎賀とはうんざりしているの」


「それで?」


「婚約破棄させてもらいます」


「婚約破棄するだと!?」


「はい、婚約破棄です」


「ここでそんな話する必要ないだろ」


今、私と斎賀は街中を歩いてて、立ち止まってお話を

しているのですけれど、お話はいいとは思うけど、

私と斎賀が大きな声でお話しているため、周りの人も

聞こえているのでどうしたって顔で周りの人は

私と斎賀の事を見ているのです。


そして、注目の的にもされています。


「うるさいわね」


「うるさいって何だよ」


「婚約破棄するって言ってるの」


「はい、そうですかって認めるか」


「認めないのね」


「認めない」


「だったらここで大声で斎賀の事をお話したらどうなるかな」


「それは脅しか」


「いえっ、脅しじゃないよ、本気だからね」


「言えないくせに」


「わかったよ」


斎賀は私が何もしないって思っているでしょうけど、

私は実行します。


「みなさん、聞いて下さい。この男性は私に対してひどい事を

言ってくるのです!」


「おいっ、やめろ」


そうしていると周りからは拍手が起こって私に賛同しているのです。


「しかもさっき私の事を使えない女! さっさと帰れ!

と邪険にしてきました!」


さらにまた周りから拍手が起こると、周りからは別れちまえって声が

聞こえてきます。


「くそぉ、完全に俺が悪者じゃないか」


「だって悪者じゃない」


「汚いぞ」


「汚い? よくそんな事が言えるのね」


「許さない」


「許さないからここで手を上げるの?」


「そうしたいがするつもりはない」


「どうするの?」


「何も出来ない」


「婚約破棄を認めるのね?」


「認めるしかないだろ、そうしたのは俺のせいだしな」


「周りのみなさん、私は婚約破棄しますっ!」


そうすると周りからは盛り上がった声が上がります。


「婚約破棄を認める」


「みなさん、この男性は婚約破棄を認めました!」


周りは盛り上がっています。


「じゃあな」


斎賀は急いでこの場から走っていなくなりました。


私は婚約破棄出来たのでスッキリとしているので嬉しいです。


周りのみんなも何処かに散らばっていくのでした。


こうやって注目を浴びながら、婚約破棄するのってある意味で

最高ね。


斎賀も馬鹿よね。


周りから注目されて婚約破棄されているのだからね。


恥さらしもいいとこね。


私はせいせいするとこの場から私も消えます。


こうして、私は婚約破棄した事で達成感に満ち溢れて

満足しているのでした。

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街中で婚約破棄したら周りの注目の的となり、まずい事になる~気にしない私は婚約破棄する~ 一ノ瀬 彩音 @takutaku2019

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