第2話 2倍に増えた2本脚の2人の人間は2つの脳があるが2つのどちらが2つに分かたれる前の記憶を持つのか

 さて、まずは2が並ぶ瞬間に備えて2について学ばなくてはいけない。

 即ち、2とは何ぞやということである。

 2、とあらわさられるこれは二であり弐でありⅡでありsecondでありduoである。

 最少の偶数であり最少のタクシー数でもある。一つのものを分けると、問答無用で二つに分かれる。いわば、最も簡易に作れる数であるということだ。

 では、もしここにいる私が二つに分かれたらどうなるのだろうか?

 どちらが私なのだろうか? 

 禅問答に、拍手に関するものがある。

 即ち、手を叩くとどちらの手から音が出るかという問いかけだ。

 ならば、それの答えと同じで二つに分かれた私はそのまま二つとも私なのだろうか? それとも、どちらかは私でそれ以外は私に極めて類似した私のような何かなのか?

 そう、二つというものは奥深いのだ。

 そして、この2がそろうときその奥深い二つに何かが起きると、そう私は考えるのだ。

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