根の國、底の國にかしこみ、かしこみ、申すーー元へ戻してお願い

暇の三

第1話温かい腕


「かーごめ、かーごめ、かーごのなーかのとりはーいついつーーでやる

夜明けのバーンに鶴と亀が滑った、後ろの正面だーれ」


10年前、「私」は生きることをあきらめようとしていた


そんな時、あきらめるなーあきらめないでとでもいいたげに、小さい私の指を握り


抱っこして、を歌ってくれたことを今でも覚えている


その時あなたは、血まみれの下半身を気にしないで、自分が寒いのに

明るく歌っていた



ーーーなんで?

なんで、そんな風に笑えるの?

あなたは、苦しんでいた。あなたは悲鳴を噛み殺してのたうちまわってたじゃない

ーーそれなのに、なんで「いい笑顔」で笑えるの


ーーまるで、「聖人」のように


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