【白姚（はくよう）・白蘭（はくらん）】

　多分今言っても信じてもらえないんですが私元々百合が好きで、「どうせなら姉妹百合とか組み込んでみたいなぁ」と思って生やしたキャラでした。

　白姚は魏令のライバルキャラとして作り出しました。騎射が得意な魏令に対してこちらは剣術という風にしてみました。ただ、ライバルとしてはちょっとパンチが弱かった気がしてそこは反省材料だなと思います。ただ百合に関していえばいい感じの熱量で書けたんじゃないかなと思っております。

　当初の予定では彼女が張章、田羊、安起などの名だたるキャラを殺害して最後は怒りに燃えた魏令に射殺され命を落とす予定だったのですが結局没案に。今思えばそれでよかったと思っています（主人公側のネームドキャラを殺しまくる敵陣営キャラってそれだけでヘイト集めそうですし……）ただそのせいで彼女の活躍をあまり書けなかったかな……と。ちょっと扱いが難しかったキャラです。

【周安邑（しゅうあんゆう）】

　敵陣営で一番好きな武将。特定のモデルはいないのですが、歴戦の名将ということで廉頗（れんぱ）や飛将軍李広（ひしょうぐんりこう）、趙充国（ちょうじゅうこく）なんかをイメージしました。長期戦に持ち込むも敵の工作によって罷免されてしまう所は長平の戦いにおける廉頗に通じる所がありますね。

　戦巧者の老将って良いよね……って感じで作ったキャラですが気に入ってます。

【夷陀（いだ）】

　緑道の戦いで登場した荊軍の総大将。黥面文身を施しているという長江流域出身者風キャラ。リアル中国史でも春秋時代の呉人や越人は黥面文身（げいめんぶんしん）と呼ばれる刺青を入れていたらしいです。因みに黥面は顔、文身は体に刺青を入れることだそうです。なので夷陀の顔の刺青に関しては黥面（いれずみ）とルビを振りました。

【戦象部隊】

　キャラではないのですが書くのが楽しかったので載せました。戦象、良いですよね……あの巨体と疾走力で突進されたらひとたまりもないですよ……ただコストが半端なかったりすぐ暴れ出したりで運用は難しかったらしいです。本作でもコストのことを考えて荊軍の戦象部隊は百五十の少数部隊になりました。

　リアル中国史では殷の紂王が東征する際に戦象部隊を用いていたらしいです。象って熱帯亜熱帯の生き物なんですけど丸みを帯びた体故にそこそこ寒さにも強くて中原にも昔は象が生息していたそうです（現在は絶滅）。

　戦象部隊はまた書いてみたいですね。