第31話「6月17日詳しい人詳しくない人①」

しかし、コンテストに応募する絵である。もっともっと描き込まなくて大丈夫だろうか。


と、2枚目を描きあげて考える。

更に言うと、猫はこのへんで切り上げて背景を描かないと。



切り上げた絵をアトリエとして借りてる所の社長に見せてみた。

「いいじゃない!素敵じゃない!」

褒められた。

「デッサン力やっぱりあるわぁ!」

いつものようにベタ褒めだ。




これではダメなのだ。


この絵では。

なんとかダメ出しというか欠点の指摘を貰わなければ。




そこで、私は聞いてみた。

「この絵で入選を取ろうと思うと大変だと思うのですが」

しかし、絵に詳しい人は、なかなか欠点を教えてくれないはずだが…。

「そうね。背景をもう少し書き込むといい気がする」

「この背景では薄っぺらい気がする」

「猫はこのままで、背景を物凄く描き込んだら頑張って描いたなってわかるよ?」


よかった。

やっと本音を言って貰えた。

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