第29話「6月14日次に描く絵と向き合う」

まず、目力がある絵にしたいから、そこから決めていこう。




どんな風に目力があるのか。



尊敬する他の絵師さんのように「ただボーっと可愛いだけの瞳」でもいいのだが。


目線は外すか外さないか。

これは難しいからあとで決めよう。


絵を見てどんな風に感じてもらいたいか。

可愛いのか、カッコいいのか、面白いのか、云々。



カッコいくて可愛いのにしよう。



どんな風にカッコよくて可愛いのか。

うちのモデルのネコはクールさが売りだから、クールなカッコよさを付けよう。




どんな風にクールなカッコよさを表現するのか。


背景はどうするのか。

効果はどうするのか。

どこまで、デフォルメするのか。

頭と目の比率は。

頭と体の比率は。

輪郭のボカシは。

主線の描き込みは。



こんな風に決めていった。



楽しくて考え出すと止まらなかった。

資料として使う画像もだいたい絞れてきた。


やった。

目線を外すか外さないかは決まらなかったが。




次の作業が楽しみだ。

■■用語解説■■

輪郭りんかくのぼかし」と「主線しゅせんの描き込み」=水墨画では輪郭を描かずに表現する没骨法もっこつほうと輪郭をぐいぐい描く鉤勒法こうろくほうがある。

どの線を描いてどの線を省くかで表現者のセンスと実力が分かる。

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