絵描きの日常

2020年1月 ぐーたら作家

第1話「1月27日」

仕事のかたわら「絵を描こう」「絵を描こう」と、言っていても、なかなか時間がとれない。

「絵を描く時間は作るもの」とは言うが、時間にしばられて練習どころか、落書きや走り書きすら出来ない。

8月に買った画材が随分くたびれてきた。

画材も消耗品。更に言うと使用期限がある。

なのに、1枚500円の紙が5枚、水張りすら終わってない。


なんてこったい。


紙とペン、もしくはスマホやパソコンだけで出来る題材を選ばなかったのが、間違いだったのだろうか。

このデジタルな時代に、祖母の形見のアナログ画材を譲り受けたのが間違いだったのか。


何故画材の話になったのかというと、あたしが、使っている画材は1回に18点も使うので、広げるときにかなり時間をくうのだ。

勿論。片付けるのにも時間がかかる。


なんてこったい。

なんてこったい。

今週末は描く時間があるのだろうか。



■■用語解説■■

水張みずばり=絵の具で描くときに紙がデコボコしないよう専用のパネルに水でピンと張り付けること。

水彩絵の具なんかを使うとプクプクデコボコ紙が浮いてたわんでくるから気になる人は毎回のようにやる。

水張りの換わりに最近は手を抜いてアイロンを仕上げにかける人もいるようだが、アイロンは仕上がりがあまり綺麗じゃない。

水墨画では大抵麻紙ましを使う。作者が使ってるのは麻を使ってないただの和紙。この小説にしょっちゅう出てくる。

アナログ画材=絵の具とか鉛筆とか。

デジタル画材=パソコンやタブレットを使って描くやつ。

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