川尻早人の「賭け」はなぜ「賭け」たりえたか

ヒガシカド

はじめに

 荒木飛呂彦『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない』のクライマックスシーンにおいて、キーパーソンである川尻早人はこのように発言している。

  

  偶然なんかじゃあない…運命なんかでもない!これは「賭け」だ!ぼくが「賭

  け」たんだッ!!ちょっぴり早く来させる事に「賭け」たんだッ!(そして来

  た!)*


 このセリフは運命でも偶然でもない「賭け」の存在を示していると言えよう。今回はこの川尻早人の「賭け」の性質を分析したい。




*荒木飛呂彦『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない』12巻、集英社文庫、2004年、16頁。

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