とりとめのない思考
この
まあそれはいいとして、とにかくこの
でもそんなことも些細な問題だ。そんなことを考察するのは人間の学者がやればいい。もっとも、それを調べる為にこの
もちろん人間達もそこまで馬鹿じゃない。今のこの
なんてとりとめのない思考を行ってしまうのは、他にすることがないからだな。
疲れて歩けなくなったリリア・ツヴァイをまたリアカーに乗せて歩く。すると私の地図情報に、モーテルが引っかかってきた。あと十キロか。今のペースでも三時間と掛からずに着けるな。今日はそこで休んで、毛布か何かを手に入れて、私も充電して、明日に備えよう。
日が落ちて、また資料写真のような星空の下、私はただリアカーを引いて歩いた。リリア・ツヴァイも何も言わない。リアカーに寝ころんで星空を見上げているだけだ。
何をするでもなく、単に呼吸して代謝を行っているだけの存在。私にとっては<足枷>でさえある。けれど見捨てることもできない。それは私がそのように作られたロボットだから。
人間ならばこういう時、どうするのだろう。何の役にも立たないお荷物を、見捨てないのか、見捨てていくのか。
私がそんなことを考察しても意味はない。意味はないけれどついそんなことを考えてしまう。だから私も、かなり壊れてきてるのだろう。ロボットとしては。
でも今はまだ、機能としては問題ない。故にこの旅もまだ終わらない。十年か百年か、それとももっと先までか。
それさえまだ分からない。きっと、終わった時に『これで終わりだ』と分かるんだろうな。
そう考えていた私の視界の先に、誰も客が来る宛てもないにも拘らず煌々と闇の中に浮かび上がったモーテルの看板が見えてきたのだった。
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