【神は君の愛を嘲笑う】

てんてん

【神は君の愛を嘲笑う】



・もうこんな時間か、早く起きないと授業遅刻しちゃうな。


とても憂鬱で仕方のない日々だな。


まぁいいや。


それも今日で最後かな、、、







・高校2年の新学期に入ってすぐの日

特に部活に入ってるわけでもない僕は授業後すぐ帰宅する。

帰宅する時は同じクラスの友達と帰る。

僕には中学2年生の頃から付き合ってる彼女が同じ高校にいるが、部活があるので一緒には帰れない。

その彼女の名前はサヤカ。


友達とカラオケに行ってから帰宅したため、家に着いたのは19時30分のこと

サヤカから着信がくる。

家に着いてから電話をするのがいつもの日課である。

いつもより電話が掛かってくるのが早いなと思い、今から帰りかな??と思いつつ電話に出る。


『 もしもし?神愛君?? 』


いつもの声じゃない。

相手側はとても焦っているように聞こえる。

だれだ??


『 はい。そうですけど。』


『 サヤカの母ですけど、今から緑中央病院に来てくれない?サヤカが大変なの。』


そう言って電話が切れた。

サヤカの母とは、よくお家にお邪魔していというあって、それなりに仲が良かったりする。

逆にさやかも僕の家に来るので僕の母と仲良かったりする。


サヤカはどうしたのだろう。

事故でもあったのか?

いつもサヤカが家に着く時間を逆算して、部活が終わって学校を出る時間が19時30分で、ちょうど今頃だからな。


部活中に何か怪我でもしたのかな??

それにしてはあの慌てふたようでは割に合わないからな。

それくらいに母の声は焦って聞こえた。


やっぱり事故に合ってしまったのか。

なんだかやけに冷静考えながらも急いで自転車に乗って病院まで走る。


病院に着いてからの記憶はあまりない。










・目覚ましのアラームが鳴る

うるさいなと思いつつも特に止める事もなく、また目を瞑り眠ろうとする。


母もいつもならこの目覚ましが鳴る頃に起こしに来るが、今日は来ない。

目覚ましはしばらくすればまた鳴り止むだろう。


次に起きたのは10時で、もう授業が始まっている時間だ。

今日は学校には行かない。

だが制服に着替えてから、自分の部屋を出てリビングへ向かう。

家にはもう誰もいないようだ。

テーブルの上には母が作って置いておいてくれた朝食があったが、食欲はなくそれを無視して歯を磨き、寝癖を直して家を出た。


目的地に着いき

建物の中に入る。

自分の名前が書いてあるところにチェックを打つ。

その後、列になっているところに並ぶ。

僕が先頭になったので3歩前にでてお焼香をあげる。

そうだ。僕は今葬儀会館にお葬式に出ている。


その後は特に誰と話すわけでも前に立っている人の話を聞きに行くわけでもなく、すぐ帰路につく。


家に着いてからは、また寝た。

起きていると現実を突き詰められてしまうので寝ることにする。真実を受け止めたくないがために。


起きたのは外が暗くなってからだ、かなり外は静かに眠っているようで、時刻は夜中の2時頃だった。

流石にお腹が空いたので、お腹を満たそうとリビングへ家族を起こさないように静かに行く。

テーブルの上には朝とは違った食べ物が置かれていた。

夕食であろうか、母がまた作って置いておいてくれたんだだろうな。

それをレンジで温めて食べる。

お味噌汁でごはんを流し込むと、お腹が満たされたせいなのか我に返り、現実を突き詰められる。

とても涙が溢れて、止まらなくて、頭が真っ白になった。


理由は


サヤカは死んだ


ということに








・サヤカはあの日、授業後に屋上から飛び降り即死だったそうだ。

恐らく自殺であろうな。

知っている僕は。

イジメに合っていたという事を。


サヤカは僕といる時そんな素振りは見せないし、ずっと笑顔で笑ってくれていた。

一度それについて指摘をしたが、そんな事ないと話を変えられてしまった。


公なイジメではなく特定のイジメでサヤカがイジメられてた事はあまり誰も知らないだろう、

そしてサヤカは友達がいないというわけではない。


実際部活仲間と仲良く遊んでいるところを見かけた事もあるからだ。

ある一部の生徒がサヤカを死まで追いやったということだ。

あからさまなイジメではなく、影で誰にも見られないようにと陰湿なイジメだろう。


ここまではただの憶測にすぎない。

ただ誰かを悪者にしなければ気が済まない。

多分それが人の心理だろう。


それはきっと辛かっただろう。


サヤカの悲しみと同じだけの悲しみを受ける事が今できるなら、僕は知りたい。


警察の見解ではサヤカの死は事故死とみなされ、イジメていた生徒は罰せられる事なく明日も能天気に生きることだろう。

サヤカの死を振り返り嘲笑うかもしれない。


僕がサヤカがイジメに合っていたのか知っていた理由は特にないないが、そんな気がしてしたというだけだ。


この話を、親と、教師に伝えた。

教師はこの事を警察に伝えてくれると言っていた。。

この先どういう見解になるかはわからない。


ただ一つもうサヤカには会えない













・なんで殺されなきゃ。いけなかったのか


いや本当に事故かもしれない。


それでも僕の中の悪者のあいつら殺せば僕のこの悲しみは振り払われるのか。


僕が悲しんでどうするんだ。


それでも辛いから自分が死ぬか。


あいつらを殺すか。


どちらしかない。


あっ、いいや死のう


さようなら


人が1人死ぬということは


1人以上の悲しみを生み出す。


また僕が死んで誰か悲しんだら面白いのにな。👼💛
















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【神は君の愛を嘲笑う】 てんてん @kamia_tenten

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