プロローグ
僕は十五歳の高校一年生の少年だ。でも、高校は休学していて、毎日のように図書館に通っては外国の本を読んでいる。
外国の本と言っても、読むのはもっぱらファンタジーだけど。
ライトノベルなんかがあればそっちを読むけど生憎とこの町の図書館にそんな気の利いたものはない。
なので、今日も僕は大きい割にはいつも人が少ない図書館に来ていて、一階にある外国の文学の本棚の周りを歩いた。
すると、一冊の面白い本を見つける。
そこにはマギアスの書という本があったのだ。何となく不気味な装丁の本だし、小難しそうなイメージも漂っている。
でも、僕はそんな本のページをパラパラと捲ってみる。すると、どうも魔術関連の専門書みたいだった。
なので、近くの椅子に座ってじっくりと読んでみる。
二時間ほどで読み終えられたけど、この本には魔法の国のことが事細かに書いてあった。
まるで、その国が現実に存在していたかのようなリアリティーがある。
僕は本の最後のページに書かれていた異世界に行くための呪文というのを見て小さく笑ってしまった。
この呪文を口にして唱えるだけで、この本に書かれている魔法の国がある異世界に行けるというのだ。
幾らなんて非現実的すぎるな。
そう思ったものの、僕は別に何かを失うわけではないと思ったので、試しにその呪文を小声で唱え見て見た。
すると、僕の意識はスーッと遠くなっていく。そして、抗うことができずに、僕の意識は暗い闇の中へと飲み込まれていった。
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