第二の人生は優しさに包まれて

由時

プロローグ

急ブレーキの音。

アスファルトに広がる赤。

急激に冷たくなっていく四肢。

喧騒がどこか遠くから聞こえる。

ああ、私はようやく人の役に立てただろうか。

「…めん、さ…」

泣かないで。私がしたかった事だから。

そう言おうとしても、喉も肺も潰れて息が漏れるだけ。

「…今度は僕が君を助けるからーーー」

機能を果たさなくなったはずの耳が、しっかりとその言葉を拾っていた。

そこで、私は意識を手放した。







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